福井県内の地方自治体における国籍条項は、あわら市以外はすべて撤廃されました。
石川県ではかほく市が国籍条項を全廃しました。(2007年採用から)
1.福井県の現状 |
2007年(参考) |
3.富山県の現状 2007年 |
4公開質問状の回答 |
5.(旧)武生市の職員採用要件見直し 報告書 |
このたびの町村合併により、新たに国籍条項を廃止した市(坂井市)や町(越前町)がありますが、残念なのは坂井市で任用条件を設けたことです
各自治体の撤廃の経過について
武生市(旧)では2000年採用試験からは 全てに国籍条項を撤廃しました。対象者は定住者も含まれます。当分の間任用に制限をつけるとしていますが、原則的 には制限を付けていません。いわゆる川崎方式(当然の法理又は言いかえた公務員の基本原則による制限を設けた方式)が出てきて以来制限を付けることが多く なった自治体がほとんどの中で、それを否定した画期的なものです。
旧武生市は今立町と合併して(2006年)越前市となり国籍条項撤廃は従来通りです。
鯖江市でも2000年採用試験から全てに国籍条項撤廃しました。対象者は永住者に限られます。
20002年、福井市、敦賀市、さらに小浜市も廃止しましたが、対象者は永住者のみで、おなじく「公権力の行使」「公の意志の形成」に携れないという任用制限がつきます。
言い換えると、採用されても就けない職種があり、管理職になれないということです。
丸岡町(旧)では2002年4月採用から 全く任用制限のない完全撤廃がされていました。 丸岡町も合併してできた坂井市は旧丸岡町の精神を引き継ぎ、国籍条項はもうけませんでしたが、管理職に就けないという任用条件をつけました。
2004年 大野市は国籍条項を廃止(消防職は残る)。勝山市も廃止しています。
その後、町レベルで撤廃が進み、2008年の採用試験から県内の町ではすべて国籍条項がありません。
市町村 | 国籍条項の 有無 |
受験に制限のある職種 |
撤廃された職種
|
制限された職種の職員の割合% | 今後の方針または 任用制限 |
外国籍 職員数 |
福井県 |
有 |
一般事務職、行政(国際)警察事務薬剤師、福祉・心理、農業、水産、土木(総合)建築、機械・金属、電気、化学、鑑識、高分子工学、情報処理、繊維、紡績、警察官、少年警察補導員、交通巡視員、原子力 |
小中学校事務、司書、臨床検査技師、栄養士、速記、医師歯科医師、看護師、准看護師、保健師、助産師、診療放射線技師、保育士、児童自立専門員、児童生活支援員、寮母、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、歯科技工士、視能訓練士、聴能言語訓練士、はり・きゅう士、按摩マッサージ指圧師、柔道整復士、言語聴覚士、獣医師、生物工学、地学、漁業取り締まりを除く船 長・航海士・機関長・機関士・船舶通信士、無線通信士、無線技術士、特殊無線技術士、職業訓練指導員、地学、窯業、計量、武道指導員、逮捕技術員、体育振興主事、デザイン、自然保護、操縦士(警察を除く)、航空整備士、電子情報工学、学芸員、文化財調査員、古生物学、技能労務職、 |
66% |
医療技術系を中心とした学術的、専門技術的な職種での撤廃してきた。さらに検討してゆきたい。 |
10名 |
越前市 |
なし |
なし |
全職種 |
0 |
採用後任用の制限項目はない |
0 |
鯖江市 |
なし |
なし |
全職種 |
0 |
個々の判断 |
0 |
福井市 |
一部あり |
消防職 |
消防職以外 |
13.5 |
受験資格 永住者任用制限あり。状況を見ながら判断する |
0 |
敦賀市 |
なし |
なし |
全職種 |
0 |
*注 |
1 |
大野市 |
一部あり |
消防職 |
一般職業務職 |
12,5 |
任用制限は未定 |
0 |
勝山市 |
なし |
なし |
全職種 |
0 |
なし(口頭で) |
0 |
小浜市 |
なし |
なし |
全職種 |
0 |
受験資格 永住者
|
0 |
あわら市 |
有 |
一般行政職、消防職 |
保育士、技能労務職、司書 |
55 |
廃止する考えは全くない |
0 |
坂井市 |
なし |
なし |
全職種 |
0 |
管理職には登用しない |
0 |
永平寺町 |
なし |
なし |
全職種 |
0 |
0 |
|
越前町 |
なし |
なし |
全職種 |
0 |
0 |
|
池田町 |
なし |
なし |
全職種 |
0 |
0 |
|
南越前町 |
なし |
なし |
全職種 |
0 |
0 |
|
美浜町 |
なし |
なし |
全職種 |
0 |
0 |
|
若狭町 |
なし |
なし |
全職種 |
0 |
0 |
|
おおい町 |
なし |
なし |
全職種 |
0 |
0 |
|
高浜町 |
なし |
なし |
全職種 |
0 |
0 |
*注 公権力の行使に該当する職務または公の意思への参画に携わる職以外の職に任用
2008年 6月 当会調べ
自治体名 | 国籍条項の有無 | 廃止した職種 | 制限のある職種 | その他 |
---|---|---|---|---|
石川県 | 有 | 一部 | 外国籍採用実績あり 公表しない | |
穴水町 | 回答なし | |||
内灘町 | 無 | 全職種 | ||
加賀市 | 有 | 一部 | ||
金沢市 | 有 | 一部 | 18職種中13職種は制限ない | |
かほく市 | 無 | 全職種 | ||
小松市 | 有 | 一部 | 9職種中6職種は制限ない | |
川北町 | 全職種 | |||
志賀町 | 無 | 全職種 | (当会調べ) | |
珠洲市 | 無 | 全職種 | (当会調べ) | |
津幡町 | 無 | 全職種 | ||
中能登町 | 無 | 全職種 | ||
七尾市 | 有 | 一部 | 6職種中1職種制限ない | |
能登町 | 無 | 全職種 | ||
野々市町 | 有 | 一部 | 7職種中2職種制限ない | |
能美市 | 有 | 一部 | 医療職制限なし | |
羽咋市 | 有 | 一部 | 10職種中8職種 | |
白山市 | 有 | 一部 | 13職種中9職種制限なし | |
宝達志水町 | 無 | 全職種 | (当会調べ) | |
輪島町 | 有 | 一部 | 6職種中5職種制限なし |
国籍条項撤廃を求める会・石川 調べ
(当会=在日外国人の参政権を考える会 福井)
参考に2007年調べの表を掲げておきます。かなりの多くの自治体で国籍条項の撤廃が進んできたことが
わかるでしょう。
市町村 | 国籍条項の有無 | 受験に制限のある職種 | 撤廃された職種 | 制限された職種の職員の割合% | 今後の方針または任用制限 | 外国籍職員数 |
石川県 |
有 |
一般行政職行政、心理判定員、機関士、航海士、機械、化学、農業、畜産、農業土木、林業、水産、土木、建築、造園、電気、総合土木、医師(行政)、歯科医師(行政)、薬剤師、獣医師 |
研究職員(水産総合センター、林業試験場、九谷焼、試験場、のと海洋ふれあいセンター、農業総合研究センター工業試験場)学芸員、臨床検査技師、臨床放射線技師、(管理)栄養士、理学療法士、作業療法士、あんまマッサージ指圧師、ソーシャルワーカー、臨床工学技士、保育士、言語聴覚士、歯科衛生士、歯科技工士、職業訓練指導員、保健師、助産師、看護師、大学教員、医師、歯科医師、福祉指導員技能労務職 |
60 |
門戸を広げるのが望ましいが「公権力行使等地方公務員」に該当すると考えるものは制限を続ける |
有。 公表しない |
金沢市 |
有 |
一般行政土木、機械、電気、調理員、薬剤師、 |
保育士、看護師、臨床工学技師、 |
24 |
研究中 |
0 |
白山市 |
有 |
(不明) |
25 |
0 |
||
小松市 |
有 |
一般行政右以外全て |
保健師、看護師 |
国の考えに準ずる |
||
加賀市 |
有 |
一般行政 |
保健師、学芸員 |
県や近隣の動向をみたい |
0 |
|
かほく市 |
無 |
無 |
全職種 |
0 |
0 |
|
羽咋市 |
有 |
全職種 |
無 |
100 |
今後検討するつもりはある |
|
七尾市 |
有 |
全職種 |
無 |
100 |
一般・技術職は廃止しない。検討しない。 |
|
輪島市 |
有 |
一般行政 |
保育士、看護師、理学療法士、作業療法士 |
県や近隣の動向をみて |
||
能美市 |
一部廃止 |
(内容不明) |
46 |
国際化に伴い外国人に門戸を開く必要がある |
0 |
|
珠洲市 |
有 |
全職種 |
100 |
医療職について検討したい |
||
内灘町 |
有 |
全職種 |
無 |
近隣の動向をみる |
0 |
|
川北町 |
有 |
100 |
未調査 |
|||
志賀町 | ||||||
津幡町 |
無 |
全職種 |
0 |
0 |
||
中能登町 |
無 |
全職種 |
0 |
|||
能登町 |
有 |
全職種 |
技術職から撤廃を検討する可能性あり |
|||
野々市町 |
有 |
一般事務職 |
保育士 |
78.2 |
現状通り |
0 |
宝達志水町 |
有 |
全職種 |
100 |
|||
穴水町 |
無 |
全職種 |
2007年 4月30日 国籍条項を求める会・石川 と一部当会調査
一部未回答があります
市町村 | 国籍条項の有無 | 受験に制限のある職種 | 撤廃された職種 | 制限された職種の職員の割合% | 今後の方針または任用制限 | 外国籍職員数 |
富山県 | 有 |
一般行政職および技術職(右以外) |
管理栄養士、保育士、歯科衛生士、歯科技工士、理学療法士、作業療法士、看護師、保健師、助産師、介護職員、職業訓練指導員、大学教員 |
79 |
質問状答え参照 |
2名 |
富山市 | 有 |
1一般行政職および技術職、2獣医師、3薬剤師、4消防士 |
左記の1〜4以外の職種 |
50 |
それぞれの職種に検討を加えてきた |
4名 |
魚津市 | 有 |
全職種 |
無 |
100 |
||
滑川市 | 有 |
全職種 |
無 |
100 |
||
黒部市 | 有 |
全職種 |
無 |
100 |
||
高岡市 | 有 |
一般職 |
専門職技能労務職 |
49.6 |
従来通り |
0 |
射水市 | 有 |
一般行政、技師、消防 |
左記以外 |
61.6 |
現状維持 |
0 |
小矢部市 | 有 |
全職種 |
無 |
100 |
未定 |
0 |
砺波市 | 有 |
一般行政 |
一般事務職をのぞく前職種 |
27.8 |
県や近隣自治体の動向を見る |
0 |
氷見市 | 有 |
一般行政、技師(土木、建築)、消防 |
保育士、医療職(医師、医療技術員、看護師)技能労務職 |
56 |
国および県の考え方を参考 |
0 |
朝日町 | 有 |
全職種 |
無 |
100 |
国および県多市町村をみる |
0 |
入善町 | 有 |
全職種 |
無 |
100 |
検討してゆきたい |
0 |
上市町 | ||||||
舟橋村 | 無 |
無 |
全職種 |
0 |
07.3.30 新谷氏と当会調査
武生市
平成11年4月
しかしなから、内閣法制局の見解に基づき、公務就任については、当然の法理により日本国籍が必要であるという見解から、外国籍の人々の採用を拒んでき
た。
こうした状況の中、平成8年11月白川自治相は、就任できるポストに一定の制約を
付ければ、一般職に外国人を採用することは可能との考えを表明。
公権力の行使、公の意思形成の参画に推わる公務員に日本国箱が必要であることは、地方公務員でも同様と当然の法理の合理性を認めた上で、単に国籍条項を
外すことでは、人事運用の面で支障が生じ季という見解を示した。その一方で、外国人を本人の同意の上で、一定の制約の下に採用することは、その自治体の人
事行政の間題として当然の法
に抵触しない範囲での任用上いう一定の制約付きならば、一殻職に外国人を採用できるとの考えを明らかにした。
また、平成9年11月東京都庁国籍任用差別撤廃訴訟の東京高裁判決によると、国民
主権の原理に反しない限度において、我が国に在住する外国人が公務員に就任することは、無法上禁止されていないものと解すべきであるとしている。
これらのことから、地方自治体における国籍条項撤廃に対する取組みは全国的な流れになってきており、本市においても、公務員に関する基本原則を踏まえつ
つ、外国籍織員の任用を進めていく必要があると考える。