第62号  特殊教育から特別支援教育への転換
 
土田 きみ子  福井県特殊教育センター所長 (2003年)

 今春の定期異動により4月に県特殊教育センター所長を命ぜられました。私自身はこの重責を担うにはあまりにも微力でありますが、熱心な16名の所員と共に、誠心誠意職務に邁進したいと存じます。御支援御協力をよろしくお願いいたします。
 さて、特殊教育センターが発足して昨年度で20年を経過しました。本年度は、特別支援教育への転換という大きな節目を迎え、センターの業務内容もさらに発展・充実していかなければなりません。また、県立病院総合医療センターの改築に伴う特殊教育センターの仮移転準備も進めております。
 近年の障害のある子どもの教育を取り巻く諸情勢の変化を踏まえ、文部科学省の「特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議」から、今年の3月に「今後の特殊教育の在り方について」の最終報告が出されました。昭和23年の盲・聾学校教育の義務化以来50年以上にわたって築き上げられてきた特殊教育は、従来の障害児教育の枠組みから大きく転換し、障害の程度に応じ、特別な場で指導を行う「特殊教育」から、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じて、適切な教育を行う「特別支援教育」への方針が提示され、新たなシステムズ作り、制度の再構築が提言されています。
 そこで、本年度、特殊教育センターでは、新しい情報を提供すると共に、特別支援教育への転換に対応するための研修や教育相談、連携協力体制への協力等、積極的に業務を進めております。5月に開催しました文部科学省特別支援教育調査官柘植先生をお迎えしての「特殊教育から特別支援教育への転換について」の研修も、時期的にもタイミングが良く大変好評でしたし、特別支援教育コーディネーター養成研修講座ともいえる特別支援教員研修(小中学校対象)や地域支援教員研修(特殊教育諸学校対象)には、多数の方の申込み、福井大学の松木先生にご指導いただきながら研修が進んでおります。また、3年目となりました独立行政法人国立特殊教育総合研究所のプロジェクト研究「特殊教育諸学校の地域におけるセンター的機能に関する開発的研究」も同研究所の滝坂先生の御指導を得ながら、校長先生方の御理解・御指導のもと、各学校とも特色ある研究のまとめの報告書作成に取りかかり始めております。その他、文部科学省委託事業「特別支援教育推進体制モデル事業」や「養護学校における医療的ケア体制整備事業」にも特殊教育センターとしては研修や教育相談の業務を通して協力をしていくことになっております。
 また、教育現場からLD・ADHD、高機能自閉症等に対する知識理解や対応の仕方について、幼稚園・保育園・小中学校・特殊諸学校等の職員研修の講師派遣要請が増加傾向にあり、先生方の関心の深さと対応に苦慮しておられる様子が感じられます。
 今後、全ての学校での再構築や、学校間の連携、医療、福祉、県市町村教育委員会等関係機関との連携にどう関わっていけばよいのか、特殊教育センターとしての役割を平成19年まで見据えて検討し、取り組んでいきたいと思いますので、御支援のほどよろしくお願いします。