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4月県特殊教育センターの所長として就任してから1か月も経たないうちに、7人もの小学校長・教頭から電話相談を受けました。どれもが、通常学級に在籍する気がかりな児童についての対応をどうしたらよいかという内容でした。
そこで、調べてみると、当センターの昨年度の教育相談受理数は1,257件(内、小学校通常学級在籍358件、28,5%)で、巡回指導は168人(内、小学生165人、98,2%)を対象に2,227回学校に出向いて行われていました。これを10年前と比較すると、全体の相談件数・指導数が2倍に増えているだけでなく、通常の小学校に在籍する子どもについての相談・指導が特に増加していることがわかりました。
また、本年度新たに、気がかりな児童生徒を学校全体で支援できるようにコーディネートする小中学校教員を養成するための<特別支援教員研修講座>を開講したところ、定員の3倍近い応募があり、通常学級担当の先生方の戸惑いと学校体制づくりの緊急性が痛感されたところです。
これまで当センターは、医療・福祉機関と連携して特殊教育の振興を図るため、早期からの教育的対応や特別な教育的ニーズをもつ子どもたちを対象に、いわゆる「特殊教育の分野」での教育相談や治療的指導を主に行ってきました。しかし、今、障害がありながらも地元の友達との関わりを求めて通常学級に就学する子どもたち、あるいは、特殊教育の対象外とされ、通常学級の中でLDやADHD等のつまずきがあって困っている子どもたちへの対応について、強く支援が求められています。
21世紀を迎え、政治・経済・行政ばかりでなく、教育界も大きく変化のうねりの中にありますが、「児童生徒の視点に立って一人一人のニーズを把握し必要な支援を行う」(21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議最終報告)という特殊教育の在り方の基本的な考え方は、これから、あらゆる教育の場での中心的な教育理念となり、特殊教育で培ってきた個人対応へのノウハウは、すべての子どもたちへの教育支援に活かされることになると思います。
こういった流れを踏まえ、障害や気がかりな面のある子どもたちが自分の命を輝かせて豊かに成長し、生き生きと学び、自立して社会に参加していくことができるようなたくましい力を身につけるためには、保護者に、盲・聾・養護学校に、あるいは小中学校に、今後どんな働きかけや支援をしていったらよいのか、また、どんな組織とネットワークを構築していく必要があるのか等について、当センターとしても、しっかり考え、研究していかなければなりません。
私自身は、これらの重責を担うにはあまりにも微力ではありますが、情熱あふれる17名の職員と共に一生懸命取り組んでいく所存です。どうぞよろしく御支援のほどお願い申し上げます。
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