第49号  心構えを新たにして
 
小林 宗一郎  福井県特殊教育センター所長 (1997年)
 この4月に県特殊教育センター所長の職務をいただきました。皆様のご支援をいただきながら精一杯努めたいと思っております。
 どうかよろしくお願いいたします。
 これまで特殊教育に従事した経験のなかった私でしたが、赴任してすぐに当センターに隣接する県立福井東養護学校の入学式に来賓として招かれました。
 式場では、どの子も重度障害のため車椅子に乗っていました。今にも折れそうな細い手足で車椅子を動かすことができない子がいましたし、首をしっかり支えされない子もいて、私の方がとても緊張しました。しかし、どの子からも生きようとするエネルギーが感じられ、胸が熱くなったのを覚えています。保護者の方に「これまでお子様の病気治療や訓練に耐えながら、よくここまで育ててくださいました。」と祝辞いたしましたが、心からそう思いました。私にとっては、特殊教育にこれから携わっていくための心構えと職責の重さを十分に味わった入学式でした。
 ところで当センターでは、教育・医療・福祉等の関係機関と連携しながら、障害児を対象とした教育相談・教育指導業務を行っています。しかし、うっかりするとその子の障害だけに目を向けた指導になりがちです。特に言語や情緒面に障害を持つ子供の思考・行動は、その背景としての生活環境(家庭・園・学校等)が大さな影響を及ぼしている場合も考えられます。だからこそ、これまで以上に相互理解と連携に配慮した教育相談・指導にしていかなければならないと思っています。
 また、これからの障害児教育を考えるとき、私は大自然の持っている教育力を最大限に活用していくことも必要ではないかと思っています。自然の美しさ、温かさ、厳しさ、命の尊さを学びながら生きるための基礎的力と強健な心を培っていけたら、こんなすばらしいことはありません。学校週5日制とも関わって保護者や関係団体の理解と協力をお願いしたいと考えております。
 障害児の喜びを私たちの喜びとして職員一同誠心誠意努めていくつもりですので、今後とも一層のご支援をお願いいたします。