第44号  連携で支える
 
嶋田 敏明  福井障害者職業センター所長(1995年)
 障害者職業センターは、職業安定所等との連携の下に、仕事に携わる上で何らかのハンディがある方々を対象に、各種の検査・相談等を通じて職業評価を行い、これを基とした職業リハビリテーション計画の策定、職業指導等を中心とした業務を推進してきている。
 この業務を基本に、より就職の促進に資するための事業として、平成3年度より模擬的な事業所を設置し、職業生活に必要な基本的労働習慣を体得させる「職業準備訓練」を実施している。さらに本年7月からは、これを実際の事業所において、協力を得ながら職業生活全般にわたる指導・援助を個別に行う「職域開発援助事業」を開始した。
 また、職業に就くために必要な知識や技能を付与し、職域の拡大等を図る「職業講習(OA講習)」も実施してきている。
 しかし、障害の重度化、多様化に加えて最近の厳しい雇用失業情勢の中で、障害者を取り巻く雇用環境は一段と厳しさを増している。
 この様な中、安定所、授産施設、福祉機関との連携プレーで就職に至った事例や、保護者に障害の受容が得られず、援助制度の活用面で就職に結び付かない事例が見られている。
 また、折角就職しても、職場適応上の問題等から早期に且つ比較的安易に離職されるケースも見受けられ、再就職の困難性からも職場不適応の未然防止等、アフターフォローが極めて重要であると考える。
 職場適応を最終的に援助できるのは、事業主と本人の周囲で働いている方々であると思われるが、職場不適応を未然に防ぐには、本人をとりまく人たちの連携のあり方も重要になってくる。
 例えば家庭の役割としては、本人との会話による問題の把握、激励、体調への気配り、事業所との連絡等があり、学校には追指導の中での現状把握、問題の関係機関への連絡、家庭でのフォローヘの指導などが求められ、当センターにも、把握している特性に基づく本人・事業所への指導等が求められる。
 この様に、障害者の職業的自立を図っていくためには、事業所に任せ切りでなく、家庭、学校、当センター等がそれぞれの役割分担を認識し、相互連絡を密にして問題の早期把握に努め的確に対応していくことが必要である。