第41号  学生の進路
 
加藤 忠雄  福井大学教育学部 教授(1994年)
 私どもの大学には毎年多数の学生が入学して来ます。私の関係する養護学校教員養成課程も同様です。この学生たちの多くは「教員養成課程」の名を信じて、将来教員になるものと大いなる期待を持って入学して来るものと思われます。
 しかし、中には教員をめざすのではなく、「福祉」の関係の仕事をしたいと考えている者もいます。そして卒業後そのような仕事に就く者もおります。しかし当初、本人としてそのように希望しながら、結局、その種類の仕事に就くことを希望しなくなる者もおります。それには、家族の方々の強い意見による場合が少なくないようです。
 最近の学生は、ともかく多額の費用がかかっています。このような費用はいうまでもなく親が支出しています。親として、このような多額支出の理由もあって、社会人となる子どもに、社会の中で、できるだけ「光輝く」仕事についてほしいと考えます。その結果、上のようななりゆきとなって現われるのではないかと思います。
 いうまでもなく今、“福祉社会”の実現が強く求められています。福祉の仕事は、従来もそうでしたが、今後ますます希望の星となる仕事です。
 福祉の仕事が望まれない理由に、社会的地位(見方一偏見一)や待遇(の低さ)の問題があり、これは現在深刻です。しかし、先に述べた、この仕事を望む学生の希望、動機は純粋で、上のような問題をものともしないところがあり、尊敬します。それにもかかわらず、これへの素朴な、しかし貴重な希望を持ちながら、断念する者がいることはまことに残念なことであります。
 毎年、県内諸施設においても人員の募集がありながら、その必要が十分満たされていないようですが、私は、望む学生が、当初の価値ある希望を実現できるよう、先の親等の意識改革を含め環境・条件の改善がなされることを強く望んでいます。