第36号  新しい流れを踏まえて
 
尾武 哲了  福井県特殊教育研究連盟会長(1993年)
 今日、多様化する時代の流れの中で、障害を持つ子供達に求められる事は、積極的な社会参加に向けて、自らが学ぼうとする意欲を持つ事です
 その意味で、本県の特殊教育の推進は、関係機関のご指導と関係各位の絶大なるご支援をいただき、教育環境の整備と行き届いた指導により大きな成果を収めていることは、誠に喜びに堪えないところであります。
 さて、文部省では、「通級学級に関する調査研究」のまとめの中で、平成5年度より「通級学級」制度化の実現を目指しています。また、通級による指導に関する事項として「学習障害」に関わる問題が近い将来、特殊教育の対象となる可能性もあるとうたっています。今後、大きな期待の寄せられる課題となりそうです。
 そこで、研究大会の今後の取組みとして考えられる事は、今回の研究大会の成果を踏まえながら、「通級学級」という新しい取組みの中で「普通学級と通級学級との関わりはどうするか」また、「普通学級における障害を持った児童の学習指導や生活指導はどうあるべきか」「保護者との連携」「学級経営から学校運営」まで、幅広い研究課題が予想されます。分科会や研究発表においても設置校以外の先生方からの提案や積極的な参加が期待されます。従来までの、ややもすると特殊教育関係者のみの研究大会から大きく脱皮する事が必要ではないでしょうか。
 一方、本県では、近年、児童数の減少により特殊学級の学級減が大きな問題となっています。定員減のためにせっかく設置された学級が閉鎖される事は悲しむべき事です。そのために、昨日まで共に学んだ先生や友達と別れるだけでなく、今後、入学して来るであろう障害を持った子供達の学ぶべき学級を失うことにもなります。一度閉鎖された学級を復活する事はなかなか容易ではありません。そのためには、児童減でも、学級の存続は何としても認めてほしいという関係者の切なる願いの実現にも努力しなければなりません。
 今後とも特殊教育研究連盟の機能が、魅力ある学級・学校づくりのために役立つ研究機関になると共に、真に、子供の特性を伸ばす個性豊かな教育を展開するために、会員相互がスクラムを組んで研究活動に励む事のできる幸せの場となることを願うものであります。