|
第35号 この人たちとともに住みよい社会づくり活動を |
|
 |
松永 正昭 社会福祉法人福井県精神薄弱者育成会 理事(1992年) |
|
終戦の混乱から復興へと社会全体が働きずくめの頃、知的発達遅滞児の親達が「この子にも学校教育を」と、はんどく会(育成会の前身)を結成し、熱心な運動によって理解の輪を広げ、心身障害児の就学促進に大きな役割を果たしてきた。運動は、就学から就労や生活訓練の拠点施設を求めるなど、次々と新たなる目標をかかげて展開し、この人達の福祉を増進させた。
特殊教育も、子供の個性に対応する教育方法の実践研究が進み、その蓄積によって、今すべての子供が、一人ひとりの能力を精一杯高める教育を受けている。発達の遅れがあってもそれぞれの個性に合った所へ進み、元気に学び希望を持って生活できるように育っている。誠にありがたく、先人達の努力に心から感謝を申し上げたい。
育成会活動も今年で37年になる。「完全参加と平等」を目指した国際障害者年を転機に障害者間に存在した不公平なサービスや保障制度の改正も進むと同時に、この人達の福祉の方向も本人の人格人権を考慮した施策が次々と準備されるなど急速に変わりつつある。
特に、知的発達障害者の進路や生活目標か家族の都合や関係者の一方的判断によって決定されるべきではない。「私達の意見を聞いて下さい」と本人が主張している。私達をいじめない社会をつくって下さい。まちの中でみんなと自由に暮らしたい。身体の一部が不自由でも友達と助け合って働きたい。貯金をして家族と旅行もしたいなど、考える力は弱くても自立の心は立派に育っている。
上手に話せなくても老いた両親を気遣い、親なき後も心配しない社会を願っている。
健康な若者が突然障害をもつ、老いて援助を必要とする人も多い。「障害をもつ人も、もたない人も、ともに生きる住みよい社会づくり」この人達との会話から教えられた目標であり、これから私達が取り組む活動の主題である。関係する人達との連携を深め、すべての県民が「生活満足度日本一」と誇れる福井を築くよう一緒に考え、一層の事業活動を推進して参りたい。 |
|
|
 |