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谷川のせせらぎのようにサラサラことばが出ることを願ってつくられたお母さん方の会、『せせらぎ会』が結成されて20年を迎え、先日ささやかな記念行事を行いました。ひと口に20年と申しましても、長いようでありまた早く過ぎ去ったようでもあり、振り返ってみるといろいろな想い出がよみがえり、感慨無量の思いがいたします。
私と親の会の出会いは、当時市に奉職しておりましたときに、あるお母さんが「どもりの映画フィルムがあることを新聞で知ったのですが一度さがしてもらえないでしょうか。」との電話がありました。このお母さんが、当時福井におられ、今は東京にお住まいの初代会長斉藤友子さんであったのです。私は、その時の電話からとても困っている様子を肌で感じましたので、何とかしなければと思いそのフィルムを手配しました。そして、「こんなお母さんが他にもたくさんいるのでは……」と思い、新聞社やNHKにお願いしてみんなに呼びかけてもらい映画会を開きました。そうしたところ、たくさんのお母さん方が集まってこられ、映画の後、「我が子のために、さらには後に出てくるであろう子どもたちのために」と親の会を結成することになり、斉藤さん自らが会長になられ、『せせらぎ会』が産声をあげたのです。
その後、連日のように、「何とかこの子らのために適切な指導機関を」と、市や県などへ陳情に走り回りました。汗をふきふき我が子の手を引きながら歩くお母さん方の後ろ姿には、母の子を思う心の深さ・重さに頭が下がりました。どもり・口蓋裂・発音異常などの子どもの声をテープに入れて、昨日は知事室へ、今日は市長室へと走り回りました。おかげで、福井市の宝永小学校や順化小学校にことばの教室を設置していただき、また、内地留学に先生の派遣・県下各地にことばの教室の設置など着々実現し、さらに、会への補助金もいただくことになりました。
こんな矢先、私の第三子が生まれましたが、たまたま口蓋裂児でした。私たち二人は、目の先が真暗になって頭が変になる思いでした。しかし、私はこの子のためにも、また、せせらぎ会をみんなの力でいっそう強く育てることが天の命令と受け止め、決意を新たにして今日にいたりました。これを機会にして、足腰を強くして一歩一歩前進したいと思っています。
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