Metro Movie Theater
1-2-14Junka Fukui City Japan


メトロ劇場
 
〒910-0023
福井市順化1-2-14

Tel 0776-22-1772

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メトロ  平和と環境のサイト  For Peace

2013


7
 福島第一原発事故と常に比較されるチェルノブイリ原発事故。事故から25年後に、30`立ち入り制限区域で初めて製作された映画『故郷よ』を13日から1週間上映します。監督はミハル・ボガ二ム。原発から3`、バラの町と言われたプリピャチ。市民が体験した原発事故当日。そして10年後、失った“故郷”に対する人々の思いを描く。汚染の現地で撮影されたゆえに、家族・市民生活・社会の喪失感とそこで被ばくしながら生きていくことのリアリティは深刻。
 原発再稼働と原発輸出に傾斜していく現在、あらためて守るべき“故郷としての福井”を考えてみる。縄文から続く里山風景。弥生から続く田園風景。室町から続くむら・まちの風景。お盆でわかる江戸からの家族の歴史・栄枯盛衰・喜怒哀楽。そして伝統・文化。しかし戦後68年、バブル崩壊から20年余り、富と情報と文化の東京一極集中。山は荒れ、無秩序な宅地開発、車社会、都市空洞化、ひとり家族。そして原発事故から2年。“人類”は核と核廃棄物に向き合わないと安全を保てなくなった。それでも命を金に換えず、命を紡ぎ後世に伝えていくのが人間の歴史。 
(2013年7月12日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』メトロ劇場館主 )



6
 
『雨月物語』をメトロ劇場で6月8日から1週間、35_フィルムで上映します。
1953年ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞。平和条約発効の翌年のこと。新生平和日本の記念碑。人間の欲望の姿を描くこの古典は、現代への警鐘となっている。原作・上田秋成、監督・溝口健二。出演は、京マチ子、田中絹代、水戸光子、森雅之、小沢栄太郎。欲と野望の戦国乱世。男たちが家族を犠牲にして琵琶湖を舞台に夢見た幻・・・・・。侍として立身出世を夢見た弟の妻は遊女にされていた。陶器で大商いをもくろんだ兄は夢破れて帰ると妻は既にこの世にはいなかった。
 1931年の満州事変以来、侵攻と戦争景気、戦禍と敗戦と占領。平和条約発効までの20年。そしてその後の60年。高度成長、バブル。大震災、原発事故。懲りもせず幾度もバブルに走り、現在は原発再稼働と原発輸出の大合唱。解体・保管・安全技術が未完成なのに人間として良心・良識がうずかないのだろうか。明日の富や将来のために命を懸けたり全てをささげたりするのではなく、貴重な幸せを実感できる“今”を何とか大切にできないだろうか。これが“雨月”の祈りでしょうか。

(2013年6月7日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』メトロ劇場館主 )


5月

 『放射線を浴びたX年後』をメトロ劇場で5月11日から1週間上映します。
 1954年3月1日のビキニ水爆実験。日本では、死の灰を浴びた漁船 第五福竜
丸事件として記憶され、原水爆禁止運動につながった。しかし、被ばく漁船は第五福竜丸1隻ではなかったのです。この映画は愛媛のテレビ局が、被災漁民から聞き取り調査した高校生ら足跡をたどり、8年にわたって独自に取材調査し続けた記録映画です。

 およそ1000隻の遠洋漁船の被ばくと汚染魚の実態。数万に及ぶ被爆漁民は被爆手帳もなく風評を恐れて被ばくを隠す。がんによる多くの死者。健康への不安と発病への恐怖の半世紀。また隠され続けた放射能汚染の驚くべき実態を告発する。核実験の放射能は日本全体をも覆うものだったこと。翌55年アメリカ政府の責任を追及しないことを条件に日本政府は見舞金200万ドルを受け取ってこの事件の幕引としたこと。62年まで太平洋核実験は続いていたのに魚の放射能検査がなくなったこと。
 この映画は3.11原発事故を急速に収束しようとする流れに対してX年後を警告するものです。2012年文科省選定映画。
(2013年5月8日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』メトロ劇場館主 )
  
3月
 原発事故による民衆の苦しみを描いた『希望の国』(15金まで)を上映中、世界保健機関(WHO)が、東京電力福島第1原発の事故による健康への影響に関する評価報告書を公表した。事故から2年目にして福島では甲状腺ガンのリスクが公衆衛生学上有意な統計水準になったことを示し、チェルノブイリで明らかになったように10数年後にピークを迎える事への公共での対策強化と市民への情報開示としての公表であったはず。が、ちまたでは全く反対の解説になり、ガンが激増するまでの新たな安全神話になってしまった。

 日本の原子力産業は平和憲法で平和産業として封印されてい
るが、日本の原発メーカーは米国では米国内防衛産業と同等であることも留意しておこう。

 『アルマジロ』(8〜)は国際平和活動の名のもとにアフガン最前線アルマジロ基地に派兵
されたデンマーク国際治安支援部隊の記録。兵士のヘルメット搭載のカメラがとらえた現実の戦闘の日々。極度の興奮状態を体験した兵士はしだいに戦争中毒に陥っていく…。防衛産業と増大する常備軍と古代から戦い続ける兵士。なぜ人間は戦争ができるか長年の謎が解けた。 
(2013年3月7日毎日新聞福井版 『映画のはなし』メトロ劇場館主 )
  
   
                        アルマジロ  Armadillo (アップリンク)     
3月9日  〜3月22日
カンヌ映画祭批評家週間グランプリ
監督 ヤヌス・メッツ

ゲームでもフィクションでもない、これが『戦争』の現実。国際平和活動の名のもとアフガン最前線アルマジロ基地。デンマーク国際治安支援部隊の記録
兵士のヘルメット搭載のカメラがとらえた現実の戦闘の日々。極度の興奮状態を体験した兵士はしだいに 戦争中毒に陥っていく…
                    @armadillo_jp  [日本] [デンマーク]
                   IMDb  http://www.imdb.com/title/tt1640680/?ref_=fn_al_tt_2
              Yahoo http://movies.yahoo.com/movie/armadillo-2010/  



2月
福島原発事故の現実を体感する『希望の国』を23日から上映する。トロント国際映画祭で最優秀アジア映画賞受賞の園子温監督作品。
 次の大震災で原発から避難する家族たち。避難区域の内と外。見えない放射能との戦いは続く。それは本当の戦争。二度と受けないと憲法で誓った、日本を焦土にした戦禍と変わらない…。
「この福島の苦しみを忘れないでください。」昨年9月、福島からの避難者の言葉だった。
 しかし心配したとおり、福井では再稼働のキャンペーン・ムード作りが進んでいる。その実、廃炉にすれば経営が成り立たない会社・税収と交付金を失う自治体とその応援団の切なる願いではないだろうか。津波・震災対策をたて安全宣言すれば安全になるのではない。まず敦賀など活断層指摘のある原発は直ちに燃料を抜いた上で、活断層かどうか検討する配慮があってよいのでは。大切なことは、解体完了まで一歩ずつ県民・国民の安全を確実にしていく永い道のりが始まっているということです。
生きていること・自分の人生をかみしめる二月の映画の数々、お楽しみください。
 
(2013年2月6日毎日新聞福井版 『映画のはなし』メトロ劇場館主 )
  
           希望の国 
The Land of Hope / Kibo no Kuni (ビターズエンド)  2月23日  〜3月15日

37回トロント国際映画祭 最優秀アジア映画賞  
監督 園子温
村上淳  大谷直子   神楽坂恵 夏八木勲

ただ愛する者を守りたい・・・20XX年、次の大震災。原発から避難する家族たち
避難区域の内と外。見えない放射能との戦い

福島原発事故の現実を体感する<福井で今できることは?>
 
      @kibou_movie  [日本]   asianwiki   http://asianwiki.com/The_Land_Of_Hope     
         IMDb   http://www.imdb.com/title/tt2283017/?ref_=fn_al_tt_1

1月

フタバから遠く離れて
 」Nuclear Nation (ドキュメンタリー・ジャパン) 1月19日  〜1月25日

監督 舩橋淳   音楽 坂本龍一

その日、町は丸ごと引っ越しをした。    
福島原発5,6号の立地する双葉町事故後 全町民避難の9か月の記録。故郷と 全てを失なっていく 過酷な現実

原発を抱える福井…増え続ける高度汚染水をはじめ福島原発事故の現実は極めて深刻。故郷を奪われた福島の人々の思いを知り、心に刻み込む。立地市町・福井県だけでなく、30キロを超えて汚染の及ぶ地域の人々と、私たちを受け入れる地域の人々と連帯しよう。原発が安全に解体し終るまで、核廃棄物の安全な保管ができるまで
[特別料金]学生・こども(小学〜) 500円
                     @nfo6  [日本]    asianwiki    
http://asianwiki.com/Nuclear_Nation   
                     
IMDb   http://www.imdb.com/title/tt2215363/  
                        Yahoo 
http://movies.yahoo.com/movie/nuclear-nation/

2012
12月
 
はや12月。今月上映する『ニッポンの嘘』〈29日〜〉は報道写真家福島菊次郎(90歳)の反骨と告発の生きざまの記録です。戦後66年、ヒロシマから311フクシマまでを描きます。平和というウソ、安全というウソ。平和と安全神話の夢から覚めた今、夢よもう一度という誘いに乗ってはいけません。特に原発立地県の福井では1つの大きな嘘には無数の嘘が取り巻いています。安全に全原発が解体完了し、核廃棄物の安全な保管ができるまで、私たちの直面する現実の問題なのです。
『高地戦』〈22日〜〉は朝鮮戦争停戦成立から実行までの12時間の過酷な戦いを描きます。戦争の実態を知り、不断の努力で維持できるのが平和なのです。
『モンサントの不自然な食べもの』〈22日〜〉は食の安全の問題です。カナダ国立映画制作庁製作で、遺伝子組み換え作物で世界を支配する多国籍企業の記録です。
全て人間が作りだしたからこそ、それを止めるのもわたしたち人間です。
もちろん今月も芸術映画の数々。『ニーチェの馬』〈8日〜〉、『BUNGO紳士編・淑女編』(8日〜)、『かぞくのくに』(22日〜)。ご堪能ください。 
    
(2012年12月6日毎日新聞福井版 『映画のはなし』メトロ劇場館主 )


11月
“観るあなたの 心を赤々に。”11月の映画で伝えたいこと。
『トガニ 幼き瞳の告発』(3〜)。
発覚後もみ消されていた障害者学校での 生徒性的虐待事件を告発する映画で、2011年韓国で公開され、大反響を呼び、障害者や13歳未満への虐待に対する控訴時効の撤廃を定めた弱者保護の法改正に発展した作品。
『オレンジと太陽』(3〜)。
イギリスが1970年まで、福祉の名で行っていた豪州への“児童移民”の実態を明らかにし、遠く離れた幾千の家族を再会させた女性の物語。ジム・ローチ監督の力作。
『ピアノレッスン』(10〜)
93年カンヌパルムドール受賞作で、ジェーン・カンピオン監督がニュージーランド移民の家族愛と苦悩を女性の目で描く名作。
『The Ladyアウンサンスーチー 引き裂かれた愛』(24〜)ミャンマー民主化運動リーダー、ノーベル平和賞のアウンサンスーチーの半生とその家族をリュック・ベッソンが描く。 
『相馬看花第1部奪われた土地の記憶』(17〜)福島。原発事故。故郷を奪われたひとびとの想いを、言葉を、「花と兵隊」の監督松林要樹が伝える。
(2012年11月4日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』 メトロ劇場館主 ) 

<原発を抱える福井>       『相馬看花第1部奪われた土地の記憶』 によせて
増え続ける高度汚染水をはじめ福島原発事故の現実は極めて深刻。故郷を奪われた福島の人々の思いを知り、心に刻み込む。30キロを超えて汚染の及ぶ地域の人々と、私たちを受け入れる地域の人々と連帯しよう。原発が安全に解体し終るまで、核廃棄物の安全な保管ができるまで 

 

10月
9月の内部被ばく特集でその深刻さゆえにわかったこと。東日本が震災と事故から立ち直れない中、西日本の国土と国民の被ばくのリスクをおかして、列島中央の福井で原発再稼働と新設の声があがる。廃炉後安全に解体し、中長期に放射性物質を安全に保管する技術と場所と覚悟が福井にあるだろうか。
 10月は近代各時代そして今の、世界各地の人々の夢や人生を紹介します。
 ウディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」(〜12)は1920年代と今。激動のギリシャ1939〜52年、名作「旅芸人の記録」(13〜)。証言で綴る越前市出身でもある「いわさきちひろ27歳の旅立ち」(6〜)。60年代パリ、人生楽しむ秘訣「屋根裏部屋のマリアたち」(27〜)。80年代フランス・リゾート地「ベティ・ブルー/愛と激情の日々」(20〜)。現代日本、正義と社会・人権を問う「死刑弁護人」(6〜)。沢尻エリカの「ヘルタースケルター」(13〜)。イギリス、美しい息子とその母「少年は残酷な弓を射る」(20〜)。メル・ギブソン、鬱になったパパ「それでも、愛してる」(20〜)。
民主主義は等身大の人間一人一人が自分の幸せを求めることから始まるのでしたよね。
   
(2012年10月3日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』 メトロ劇場館主 ) 


9月、
芸術の秋

9月、芸術の秋。古い言い方ですが芸術の3要素 真・善・美にちなんでメトロの上映映画を紹介してみます。
“美”。ショーン・ペンが怪演するロックスター追憶の旅『きっとここが帰る場所(〜14)』
不朽の名作ヴィスコンティ監督の『ベニスに死す(8〜)』。20世紀初頭パリの娼館へのメモワール『メゾン ある娼館の記憶(8〜)』。パリ・
芸術の都を巡るウディ・アレン監督の『ミッドナイト・イン・パリ(15〜)』。火炎放射器の炎で描く青春『ベルフラワー(15〜)』
“善”。少年の非行問題。大切な子供として大人が勇気を持って正面から向き合う『少年と自転車(カンヌグランプリ8〜)』。日韓友好の原点、韓国の山々の緑化に尽くした浅川巧を描く『道 白磁の人(22〜)』
“真”。国家間の戦争から非対称に戦争の民営化が進む現代。イラク戦争“民間兵”を描く劇映画『ルート・アイリッシュ(22〜)』
 福井が直面する核廃棄物の処理問題。長期の安全を確保するため、内部被ばくの深刻さを取り上げる。ドキュメンタリー映画2本。『核の傷 肥田舜太郎医師と内部被ばく(22〜)』『子どもたちの夏 チェルノブイリと福島(29〜)』  (
(2012年9月4日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』 メトロ劇場館主 ) 


8月は不戦を誓う平和の月

 8月のメトロはディープな人生と芸術の映画をお届けします。時よ止まれ君は美しいと一度
言いたいものです。原作ゲーテ・監督ソクーロフの『ファウスト(18日より)』。人生と芸術とその表現『夢の教室(10日まで)』『フラメンコ・フラメンコ(4日より)』。夢と幻想と情念の世界『鈴木清順浪漫3部作』一挙上映週間(18日より)。男の性を直視する『シェイム(4日より)』。ポランスキーの描く現代人間関係『おとなのけんか(11日より)』。現代ロック音楽に通じる人間救済『一遍上人(25日より)』
 
 7月は大飯再稼働とオスプレイでゆれた。8月は不戦を誓う平和の月。核廃棄物の処理の困難さを考える時、軍事技術核兵器の平和時転用技術が原発だったと思い知らされる。

 メトロでは『誰も知らない基地のこと』を11日より上映する。オスプレイ問題は全世界110か国に展開する米軍の問題でもある。安保条約と核の傘の現実。38か国716の基地に駐留軍を展開する。この米基地が戦利品・略奪物のように様々の戦争紛争を経て増加してきた現実を記録。米国の戦略・軍産複合体のありさまを紹介する。イタリア人監督による貴重な映像記録。

(2012年8月5日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』 メトロ劇場館主 )



「311」  7月28日  〜 8月3日 
 
7月のメトロは多様な人生の映画。
 老いは遅咲きする成熟のとき。現実を自分で見て知り、いつまでも元気に生きたいと思う。今何ができるか、大切なとき。映画はその鏡のようだ。「最高の人生をあなたと(6日まで)」「ポエトリー(7日〜)」「ル・アーブルの靴磨き(14日〜)」
 人生は芸術。カンヌ監督賞の疾走する愛・「ドライヴ(7日〜)」、不朽の名作「天井桟敷の人々(22日〜)」、バレエ芸術を創造するピナ・バウシュ「夢の教室(30日〜)」
 大震災後、生きていること、生きていくことを確認する「KOTOKO(13日まで)」「ポテチ(14日〜)」、震災・津波・放射能汚染を体感する「311(28日〜)」
 
 6月は原発の再稼動の1番札・大飯で揺れた。全世界注目の切り札としては心もとないが、文字どおり廃炉まで稼ぎたいのだろう。では廃炉の1番札はどのように決めるのだろうか。本当はそこから福井の長い現実が始まる。福井の賢明な老人は今何ができるのか。1歩でも安全な方へ、人間らしく生きていけるように、 後世に語り続けよう。
 
2012年7月4日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』 メトロ劇場館主 )

『アーティスト』   6月2日  〜 6月15日 

 メトロで今公開中の『アーティスト』はハリウッドで撮ったフランス映画。2011年アカデミー賞5部門(作品・監督・主演男優・衣装デザイン・作曲賞)を受賞した。5.1ch3D時代になろうとしているいま、アザナヴィシウス監督は映画製作の情熱と愛に満ち溢れた人生讃歌を白黒サイレントで作り上げた。セリフのないことは感情を直接純粋に伝え、立体の幻と色彩を落とすことは生きている人間を鮮やかに描きだしている。21世紀のアートとして復活したといえる。

 私は無声映画の金字塔『イントレランス』(1912年グリフィス制作)を思い出す。“時の揺り篭”を動かすと人間の不寛容な歴史が見える。巨大なバビロン城塞都市とその住民が滅びる時、キリストの処刑の時、新教徒虐殺の朝、現代の無実の死刑…。

 この映画から100年。時代はますます不寛容になり第1次大戦、第2次大戦、冷戦(核戦争の恐怖の時代)と続いた。いまだ原水爆は廃棄されず、原発の事故で核の脅威は増している。『アーティスト』の時代の世界恐慌にも匹敵する経済状態にも遭遇している今、人間として生きることを確かめたい。
                   
(2012年6月6日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』 メトロ劇場館主 )


 灼熱の魂 Incendies     (アルバトロス) 6月2日  〜6月15日


アカデミー外国語映画賞ノミネート
トロント ベストカナダ映画賞
監督・脚本 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
戯曲 ワジディ・ムアワッド(レバノン生れ)
出演 ルブナ・アザバル 他

パレスチナ、憎しみの連鎖の果て.
魂をも焼かれた母親の 崇高な愛の物語

お母さん、あなたが生き続けた理由を教えてください
『渦』のドゥニ・ヴィルヌーヴが監督と脚本を務め、レバノン出身の劇作家ワジ・ムアワッドの原作を映画化した珠玉の人間ドラマ。中東からカナダに移り住んだある女性の壮絶な人生を、過去と現代を行きつ戻りつしながら映し出す。『パラダイス・ナウ』のルブナ・アザバルが陰のある母親を演じ、その娘を、カナダのテレビで活躍するメリッサ・デゾルモー=プーランが演じている。過酷な生涯を生きた女性の胸に秘められた思いに涙する。

ストーリー:ある日、カナダで暮らす双子の姉弟ジャンヌ(メリッサ・デゾルモー=プーラン)とシモン(マキシム・ゴーデット)の母親ナワル(ルブナ・アザバル)が永眠する。後日、長年彼女を秘書として雇っていた公証人(レミー・ジラール)により、母の遺言が読み上げられる。その内容は、所在がわからない自分たちの父と兄に手紙を渡してほしいというもので……。(シネマトゥデイ)

    @incendies12  [日本] [フランス] [イギリス] [イタリア] [ドイツ] [アメリカ]
                     IMDb    
http://www.imdb.com/title/tt1255953/
                    Yahoo  
  http://movies.yahoo.com/movie/incendies/

アンダーグラウンド  UNDERGROUND 5/26(土)〜6/1(金)

 製作・脚本 ギレルモ・デル・トロ(パンズ・ラビリンス)
995カンヌパルムドール大賞
監督・脚本 エミール・クストリッツァ
昔、ある所に国があった。
ナチを逃れ地下に潜って50年… 地上に出たらユーゴの国はバラバラ

民族の対立・悲劇。愛と狂気で生き抜く。映像と ブラスの音の一大スぺクタル・ショー
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『アンダーグラウンド』(UNDERGROUND, セルビア語: Подземље)は1995年の映画である。フランス、ドイツ、ハンガリーの合作。監督はエミール・クストリッツァ。カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞 (同監督の受賞は1985年の『パパは、出張中!』に続き2度目である) した。ベオグラードを舞台に、第二次世界大戦からユーゴ内戦まで、ユーゴスラヴィアの激動の歴史を描いている。(ウィキペディア)



『イエロー・ケーキ クリーンなエネルギーという嘘』       5月 5日  〜  5月 18日

5月5日より『イエロー・ケーキ クリーンなエネルギーという嘘』をメトロ劇場で公開する。
 
 「イエロー・ケーキ」とは鉱石からウランの含有率を高めた黄色の物質のこと。製造には処理不能な莫大な放射性廃棄物の山と汚染水を産んでいる。
監督はヨアヒム・チルナーで、ウラン鉱山・ウラン産業・産業従事被ばくの実態のドキュメンタリー。監督の出身の旧東ドイツにあるヴィスムート・ウラン廃鉱山の環境破壊・人的被害の現実ほか、カナダ、ナミビア、オーストラリアなど世界各地で取材した。

 原発は燃料を採掘するときからこんなに危険で、クリーンでもない。まして使用済み燃料の処分場もまだない。原発解体方法も開発中。数十年の発電のためにウランを地中深くから掘り起こしている。ウラン238は半減期44億年という永久の負の遺産なのに。

 安全神話の夢が破れた今、福井では多くの原発の解体時期が差し迫るという現実が待っている。“原発の恩恵の神話”にいつまでもすがってはおれない。

                        (2012年 5月4日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』 メトロ劇場館主 )

  
特別料金学生・こども     ( 小学 〜 )  500円  
        あなたは、65年に及ぶウラン採掘の陰にある真実を知っていましたか?
         イエロー・ケーキ クリーンなエネルギーという嘘 

  
           Yellow Cake: Die Luge von der sauberen Energie (パンドラ)

 
 監督 ヨアヒム・チルナー

<イエローケーキ>鉱石からウランの含有率を高めた黄色の物質。
製造には処理不能な莫大な放射性廃棄物を産む
ドイツ、カナダ、ナミビア、オーストラリア。ウラン鉱山・ウラン産業・被ばくの実態ドキュメンタリー

原発は燃料を採掘するときからこんなに危険。まして使用済み燃料の処分場もまだない。原発解体方法も開発中。安全神話のウソ

黄色い色をしていることからイエロー・ケーキと呼ばれる、ウラン鉱石の粉末精製の裏に迫るドキュメンタリー。原子力発電の燃料として用いられ、二酸化炭素も出さず、再利用も可能だとして、クリーンなエネルギーだとうたわれてきた、このウラン粉末の危険性をさまざまな角度から調査する。5年間にわたって世界各国のウラン採掘現場への取材を敢行し、鉱石採掘の時点でウランから処理不可能な放射性物質が大量に放たれている実態を浮き上がらせていく。脱原発政策を打ち出したドイツから発せられる真摯(しんし)なメッセージに、改めてエネルギーの在り方を再考したくなる。

ストーリー:かつて世界有数のウラン生産を誇っていた旧東ドイツ南部。東西ドイツ統一後、新政府は同地の危険地域指定とウラン生産の無期限停止を決めるが、そこで働いていた人々の肺ガン発症率が高いことが判明する。ナミビア最大のウラン採掘地であるロッシング鉱山では、従業員が生き生きと働き、同国の経済を支えているが、30年にわたって捨てられてきた放射能を含んだ廃棄物がナミブ砂漠の環境を悪化させている。こうした危険性を隠ぺいしてまでウランが採掘される背景を探るべく、取材クルーはカナダやオーストラリアにも向かう(シネマトゥデイ)



やがて来たる者へ
   L'uomo che verra /The Man Who Will Come (アルシネテラン)    3/23(土)〜3/30(金)


監督・脚本・製作 ジョルジョ・ディリッティ
イタリア・アカデミー作品賞など3部門受賞
1944年、大戦末イタリア。静かなボローニャの山村。
少女が見たパルチザン狩り[マルザポットの虐殺]の真実

2007年軍事法廷で事件関係者10名終身刑判決

第2次世界大戦末期に、実際にイタリアのボローニャ郊外の山村で起きた、ナチスによる村人の大量虐殺をテーマにした衝撃のドラマ。8歳の少女の目を通して、つつましく暮らす村人たちがやがてたどる悲劇の結末を映し出す。監督は、イタリア国内で高い評価を受けるジョルジョ・ディリッティ。出演者も『輝ける青春』のマヤ・サンサらプロの俳優と共に地元の人々を起用。真実に基づく悲劇を、徹底的に静かに見据えた監督の手腕にうなる。シネマトゥデイ(外部リンク)

あらすじ: 1943年12月、8歳のマルティーナ(グレタ・ズッケリ・モンタナーリ)はボローニャ近郊の小さな村で暮らしていた。彼女の家は農家で、両親や祖父母や親せきたちが共に暮らす大家族だった。マルティーナは、生まれたばかりの弟が自
分の腕の中で息を引き取ってから一切口をきかなくなっていたが、ある日母(マヤ・サンサ)が再び妊娠し……。(シネマトゥデイ)

           
    [日本] [イタリア ]  
 http://www.manwhowillcome.com/home.html
                     IMDb
http://www.imdb.com/title/tt1351672/     
                     Yahoo 
http://movies.yahoo.com/movie/the-man-who-will-come/


ひまわり I girasoli / Sunflower     3/17(土)〜3/23(金)

デジタルリマスター版 不朽の名作
監督 ヴィットリオ・デ・シーカ
マルチェロ・マストロヤンニ ソフィア・ローレン

地平線まで広がる   ひまわり畑――
ナポリの海岸で出会い,戦争で引き裂かれ、待ち続けた妻。そして悲しい再会…

第2次世界大戦によって引き裂かれた男女の悲しい愛の物語が、ニュープリント&デジタル・リマスター版にて公開。時代に運命を翻弄(ほんろう)された夫婦の悲劇を、名匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督が情感豊かに描き出す。主演は、イタリアのを代表するソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ。東西冷戦下、欧米では初の試みとなったソ連ロケを行い撮影された広大なひまわり畑の風景と、ヘンリー・マンシーニによる悲しみが漂うテーマ曲が深い余韻を残す。
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あらすじ: 第2次世界大戦下、ジョバンナ(ソフィア・ローレン)とアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は結婚するが幸せもつかの間、アントニオはソ連戦線へ送られてしまう。終戦後も戻らない夫の行方を追ってジョバンナはソ連へ向かい、アントニオの居所を探し当てる。しかし、戦場で遭難した彼は美しいソ連の娘に助けられ彼女と結婚し、子どもも生まれており……。(シネマトゥデイ)


『第4の革命 エネルギー・デモクラシー』  3/19

今、メトロ劇場では『第4の革命 エネルギー・デモクラシー』を上映している。監督はカールA.フェヒナー。太陽、風力など100%再生可能エネルギーへ転換し、希望ある未来の姿を説く。

 ドイツでは、2010年最も観られたドキュメンタリー映画で、3.11東日本大震災後にはTV放映され、昨年6月の脱原発宣言となった。さらに、有限な化石エネルギーから再生可能な自然エネルギーへ転換を目指している。
  
 福井県内の全原発が停止し、全国でもほとんど稼動していない現在、国民一人ひとりの意識改革と必死の企業努力から電力不足による停電が発生していないことは素晴らしい。結果として安全のため再稼働する原発を厳選でき、また、ドイツのようにエネルギー革命への道が開けてきている。

<原発を抱える福井>では現実を直視しなければならない。再稼働するしないにかかわらず原発は安全のため解体時期が必ず来る。現実には福井から持ち出せない放射性廃棄物。安全に どのように保管するか。大問題である。
(2012 年3月19日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』 メトロ劇場館主 )

3月17日  〜3月23日
              第4の革命 エネルギー・デモクラシー 
              Die 4. Revolution - Energy Autonomy  (ユナイテッドピープル)

監督 カールA.フェヒナー
ドイツを脱原発に変えたドキュメンタリー。
太陽、風力、水力、地熱 etc100%再生可能エネルギーへ 世界のキーパーソン、希望ある未来の姿を伝える

ドイツで2010年に公開されたドキュメンタリー映画の中で、その年の最多の観客動員数を記録し、国として脱原子力発電に向かうきっかけのひとつにもなった環境ドキュメンタリー。環境政策を掲げる政治家や環境活動家にインタビューを行い、また国際的なプロジェクトや産業を取材。エネルギーシフトの鍵を握る自然エネルギーの可能性を探っていく。監督は、ドイツのドキュメンタリー作家、カール=A・フェヒナー。2011年3月11日の東日本大地震と原子力発電所の事故が発生して以来、エネルギー問題に大きく揺れる今、環境先進国ドイツにおける再生可能エネルギーの最新事情に興味が尽きない。
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あらすじ: 再生可能エネルギーへの100パーセントのシフト、「エネルギー革命」は今後30年のうちに成し得るものなのか。持続可能な脱化石燃料エネルギーの普及を目指す国際的プロジェクトや経営モデルの紹介と共に、環境活動家のヘルマン・シェーア氏など自然エネルギー分野の第一人者が未来のエネルギーについて語る。(シネマトゥデイ)

[特別料金] 学生・こども(小学〜) 500円 みてね   @4thre  [日本] [ドイツ]
      IMDb      http://www.imdb.com/title/tt1619022/   



がんばっぺ フラガール

Fukushima ni ikiru kanojotachi no ima /  Fukushima Hula Girls   
2/4(土)〜2/17(金)

復興応援ドキュメンタリ-  小林正樹 監督
出演 スパリゾートハワイアンズのみなさん

被災にめげず全国に笑顔を届けよう  いわきを離れ、熱くあつく復興エール!
フラガールのダンサーは46年ぶり全国キャラバンへ

福島県いわき市の大型レジャー施設・スパリゾートハワイアンズのフラガールたちにスポットを当てるドキュメンタリー。東日本大震災による大きな被害を受けた同地で、スパリゾートハワイアンズの営業再開と踊りで笑顔を届けようとするフラガールたちをカメラが追う。監督は、『スキージャンプ・ペア 〜Road to TORINO 2006〜』の小林正樹。スパリゾートハワイアンズの前身である常磐ハワイアンセンターをテーマにした『フラガール』で主演を務めた蒼井優によるナレーションも見逃せない。
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ストーリー:ギネスにも認定された露天風呂があるなど、日本を代表する大型レジャー施設の一つ、スパリゾートハワイアンズ。かつて廃れゆく町のピンチを救った同施設が、避難住民に施設を一部提供しながら、営業再開に向けて始動する。そこには、46年ぶりにフラガールたちによる全国キャラバンを復活させようという動きもあった。(シネマトゥデイ)


ゴモラ
Gomorra 1/28(土)〜2/3(金)


’08カンヌグランプリ
監督・脚本 マッテオ・ガッローネ
原作・脚本 ロベルト・サヴィアーノ
血と札束。勝利と利潤の匂い。武器・麻薬・産廃不法投棄…イタリア巨大犯罪組織カモッラ。現代資本主義社会の暗部をえぐる究極のイタリア・ネオリアリズモ

イタリア・ナポリを拠点にドラッグや武器の売買、偽ブランドの生産などで巨大な利益を上げ、世界的な犯罪組織となった「カモッラ」の知られざる日常を描いた衝撃の社会派ドラマ。カモッラに潜入取材して書かれたベストセラーを原作に、犯罪絡みのビジネスや抗争にかかわる人々の群像劇をつづっていく。出演は、『湖のほとりで』『イル・ディーヴォ』などのイタリアを代表する俳優トニ・セルヴィッロ。ビジネスの裏側に存在する搾取、容赦ない暴力の数々がリアルに描かれ、カモッラの世界への影響力とその深い闇にがく然とする。
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ストーリー:イタリア・ナポリ。少年トト(サルヴァトーレ・アブルツェーゼ)はある儀式を経て、犯罪企業組織カモッラに加入。一方、産業廃棄物ビジネスを牛耳るフランコ(トニ・セルヴィッロ)の部下ロベルト(カルミネ・パテルノステル)は、業務の実態を前に悲惨な現実に打ちのめされる。また、組織から武器を盗んだマルコ(マルコ・マコール)とチーロ(チロ・ペトローネ)は、組織を敵に回してしまい……。(シネマトゥデイ)



アンダー・コントロール 
Unter Kontrolle  1/21(土)〜1/27(金)


監督 フォルカー・ザッテル

映画で見る原発解体マニュアル
原発を廃止するドイツの今を描く見学・体験型ドキュメンタリー
原子炉建屋の中 操作室 様々な関連施設,廃墟と化した原発とその解体作業
,原子力にかかわる人々の日常

<原発を抱える福井に>
切実なこと――現在・将来の安全を保つため、原発の実際の姿を知ること。原発解体の工程を知ること。
[特別料金] 学生・こども(小学〜) 500円 みてね

3年の月日をかけてドイツとオーストリアの原発関連施設を巡ったドキュメンタリー。原子力発電所の制御室や原子炉建屋の内部、放射性廃棄物の貯蔵施設などの貴重な映像をカメラが次々ととらえていく。ドイツ人のフォルカー・ザッテル監督がメガホンを取り、実際に原発関連の仕事に従事する人々や、いくつもの原発のリアルな姿を映し出す。あくまで冷静な視点からとらえた原発の未来を占う体験型映像に、さまざまな思いが胸に浮かんでくる。
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ストーリー:ドイツのメルケル政権は福島での原発事故をきっかけに、2022年末までにすべての原発を停止させることを決定。1950年代から核の平和利用を目的とした開発が始まった原子力エネルギーは、世界的に見直しが検討され始めている。ドイツでは巨費を投じて原発解体の作業が進み、その跡地を遊園地に再利用するなどの試みもなされている。(シネマトゥデイ)

テザ 慟哭の大地Teza 1/7(土)〜1/13(金)

ヴェネチア映画祭’08金オゼッラ賞ほか2賞     全アフリカ映画祭’09グランプリ

民族の語り部・監督 ハイレ・ゲリマ
’74革命で祖国エチオピアに帰る。粛清の嵐。飢饉と内戦の20年。軍隊による子ども狩り。荒廃と絶望、悪夢の果てに宿る朝露(テザ)とは。

世界的に高い評価を受けるエチオピア人監督、ハイレ・ゲリマが手掛けた壮大な人間ドラマ。ある男性の波瀾(はらん)万丈の人生を通じて、1970年代から20年にわたるエチオピアの狂乱の歴史を映し出す。主人公を演じるのは、エチオピア系アメリカ人のアーロン・アレフ。本作が日本で劇場初公開となるゲリマ監督は、本作で2008年ヴェネチア国際映画祭脚本賞、審査員特別賞を受賞している。世界へと羽ばたいた青年が、歴史の波に飲み込まれていく姿に胸が震える。
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ストーリー:1990年、アンベルブル(アーロン・アレフ)は、生まれ故郷のエチオピアの小さな村に帰ってくる。彼は医師を目指してドイツに留学していたが、ベルリンで暴徒に襲われ片足を失っていた。年老いた母親(タケレチ・ベイエネ)や彼女と同居するアザヌ(テジェ・テスファウン)が待っていたが、兄(ネビユ・バイエ)をはじめ村の人々は彼に冷ややかな視線を向ける(シネマトゥデイ)


2011 

12/1

映画館で映画を見よう。1日は映画の日。世界中で映画は作られている。この紙面で できるだけ紹介したい。

『黄色い星の子供たち』(10日より)
ナチ占領軍に協力してフランスはユダヤ人を追放した。追放先は絶滅収容所。この歴史の汚点を正確に描くフランス映画。フランスでは7月16日は「ユダ
ヤ人迫害の日」として忘れてはならない日としていることをこの映画で知る。さて、日本では・・・・。

『未来を生きる君たちへ』(17日より)
本年度アカデミー外国語映画賞受賞作。些細な日常の暴力。復讐・報復。暴力が暴力をうむ。平和医師団の医師とその子供の話。北欧の子供たちのいさかいはその親を巻き込む。アフリカ紛争地帯の難民キャンプも…。環境が違っても人間の本質は変わらない。この連鎖は断ち切ることができるのか。監督はデンマーク人スサンネ・ビア(女性)。この作品で許しと復讐、暴力と非暴力、寛容な人間であることの困難さを語る。特に近年復讐や報復が容認されやすくなってきたことへの警鐘としている。

(2011年 12月1日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』 メトロ劇場館主 )


12月10日  〜12月23日
黄色い星の子供たち                La rafle.  /The Round Up (アルバトロス)
監督・脚本 ローズ・ボッシュ
メラニー・ロラン ジャン・レノ

1942年夏、パリ。過酷な運命を生きた子供たち

フランスでは7月16日は忘れてはいけない「ユダヤ人迫害の日」
フランスはナチ占領軍に協力してユダヤ人を追放した。追放先は絶滅収容所。この歴史の汚点を正確に描く。

              [フランス] [ドイツ] [イタリア] [日本]
          IMDb
http://www.imdb.com/title/tt1382725/

12月17日  〜12月6日憎しみを越えたその先でどんな世界を見るのだろう。  
未来を生きる君たちへ 
  Hevnen   / Hævnen    / In a Better World  (ロングライド)

本年度アカデミー外国語映画賞
ゴールデングローブ外国語映画賞
監督 スサンネ・ビア
デンマークにいる子供。父は難民キャンプに赴任した医師。北欧もアフリカも暴力の連鎖は変わらない…些細な日常の暴力。抑制できず、暴力が暴力をうむ。


                     [日本] [デンマーク] [イギリス] [アメリカ
]  
            IMDb   http://www.imdb.com/title/tt1340107/  
                        
  Yahoo  http://movies.yahoo.com/movie/1810195621/info



『チェルノブイリ ハート』福井公開  25日まで上映)
 福島の原発事故は当初、スリーマイル島原発事故と同じレベル5と評価されたが、4月に1986年に起きたチェルノブイリ原発事故と同じ深刻度最悪のレベル7に引き上げられた。
  ではどれだけ深刻なのだろうか
『チェルノブイリ ハート』(25日まで上映)は チェルノブイリ原発事故から16年後の2002年、“ホット・ゾーン”と呼ばれる高濃度汚染地域の現実に迫り、被曝被害の事実を追う作品で、アカデミー賞ドキュメンタリー短編賞を受賞した。監督はマリアン・デレオ。放射線治療の現場、小児病棟、乳児院…心臓などに重度の障害をもって生れた子供たちなど…。今公開は、オスカーを受賞したバージョンに原発周辺を再び訪れた5年後の記録を加え、今日に続く人々の苦悩を伝える。
 
福井に集中している原発。必ず解体時期は来る。また核廃棄物・汚染物質は移送先決定まで安全に保管し続けざるをえない。だからこそ原発事故の深刻さを記憶し続け、私たちの子・孫まで安全な道を開いていきたいものだ。
(2011 11月13日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』 メトロ劇場館主 〉


11月12日  〜11月25日     学生・こども(小学以上)当日 500円 

      事故から25年… まだ終わっていない
    チェルノブイリ ハート Chernobyl Heart  (ゴーシネマ)
  
監督 マリアン・デレオ

2003年度アカデミ−賞短編記録映画賞
2011年 日本初公開 オスカーを受賞したバージョンに、5年後に原発周辺を再び訪れた記録ホワイトホース('08)を加えて日本公開

真実を知る
1986年チェルノブイリ4号炉。.原発事故から16年後の現実。心臓などに重度の障害をもって生れた子供たち

チェルノブイリ原発事故から16年後の2002年、“ホット・ゾーン”と呼ばれる高濃度汚染地域の現実に迫り、第76回アカデミー賞ドキュメンタリー短編賞を受賞した話題作。ベラルーシのホット・ゾーンに住み続ける住民たちの姿をとらえ、16年たっても続く被爆被害の事実を追う。監督はマリアン・デレオ。放射線治療の現場、小児病棟、乳児院など、注目すべき映像がつづられていく。

ホワイトホース('08)
チェルノブイリ原発事故後初めて故郷に帰った青年は、廃虚となった自宅アパートへ向かう。爆心から3キロの強制退去地域は、何もかもを台無しにした事故が起こった1986年で時間が止まったままだ。色あせた1986年のカレンダーを見つめ、彼は「近親者の10人がガンで死んだ。放射能とは無関係だとおれが信じると思う?」とつぶやく。
(シネマトゥデイ)

          @Movie_c_heart  [日本]     IMDb  
   http://www.imdb.com/title/tt0396959/   


『一枚のハガキ』(28日まで公開)

今年99歳の新藤兼人監督が、後世に伝えたいことを執念で作り上げた愛と平和の作品。大竹しのぶと豊川悦司の本音の叫びとして胸を打つ。
戦争・戦禍。次々と肉親を失い、ありとあらゆる不幸を絶望の果てに受け入れてきた女。運命の選択の結果、幸運にも生き延びてきた男。一枚のハガキの縁で、愛を求め、求め合いあい、文字どおり命懸けで生きてきた人間の姿を描ききる。そこに戦後日本、今の日本の原点をみる。
『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』(22日より公開)
 マルコ・ベロッキオ監督のイタリアアカデミー賞8部門を受賞した作品。
 ファシズムへ熱狂した時代は、従わないと惨酷な恐怖の時代だった。たとえ独裁者ムッソリーニの家族でも。 彼を信じ、支え、愛し続けたイーダは精神病院に幽閉される。同じく幽閉死した息子。愛と抵抗の話。
 イタリアの歴史を追体験し、旧同盟国・軍国主義日本の姿をそこにみる。
(2011 10月16日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』メトロ劇場館主 〉

10月22日  〜11月4日
いくら愛しても足りなかった。何度裏切られても愛し続けた。

        愛の勝利を ムッソリーニを愛した女  Vincere  (エスピーオー)

伊アカデミー8部門受賞 
巨匠  マルコ・ベロッキオ
ジョヴァンナ・メッゾジョルノ (イーダ)
フィリッポ・ティーミ   (ムッソリーニ)
      2役    (息子アルビノ)
ファシズム…従わないと惨酷な恐怖の時代 
イーダはムッソリーニを信じ、貢ぎ、支えたが、子供を産む直前、
彼は 正妻をめとる。 ファシスト党の統帥(ドゥーチェ)になった
ムッソリーニは、イーダが邪魔になり精神病院に幽閉。
ファシズムへ熱狂した時代、イーダは独裁者に抵抗し続けた。
・・・息子アルビノも政権崩壊前に精神病院で死亡。 

ファシズムという言葉を生み、ヒトラーと並ぶ独裁者と称され歴史に名を残したベニート・ムッソリーニを、自分の人生をささげて愛した実在の女性の半生を描く人間ドラマ。歴史の闇に葬られた壮絶な愛の物語は、全米批評家協会賞主演女優賞を獲得したほか、世界中の映画祭で絶賛された。監督は、『夜よ、こんにちは』のマルコ・ベロッキオ。最愛の人から裏切られながらも、人生を懸けて信念を貫くイーダにふんしたジョヴァンナ・メッツォジョルノの鬼気迫る演技に、引き込まれる。

ストーリー:若きベニート・ムッソリーニ(フィリッポ・ティーミ)と恋に落ちたイーダ(ジョヴァンナ・メッツォジョルノ)は、自分のすべての財産を投げ打ってまで彼の理想を実現させようと支える。やがてイーダは彼の子どもを産むが、ムッソリーニはすでに家庭を持っていたことを知る。自分が彼の妻であり、息子がムッソリーニの子であると認知させようとするイーダだったが、彼女は危険人物と見なされてしまい……。(シネマトゥデイ)
             [日本] [イタリア] [アメリカ]    IMDb
    http://www.imdb.com/title/tt1156173/ 
                 Yahoo  http://movies.yahoo.com/movie/1810133600/info 

10月1日  〜10月28日
皆のぶんまで 生きていこう

     一枚のハガキ           Post Card / ichimai no hagaki   (東京テアトル) 

東京国際映画祭審査員特別賞 

新藤兼人 監督  99歳 (監督・脚本・原作)
主演 豊川悦司  大竹しのぶ       柄本明  倍賞美津子 大杉漣 積川雅彦 麿赤兒

皆のぶんまで 生きていこう
戦争ですべてを失った男と女。希望と再生へのメッセージ

人は 生き続け愛と希望を見つけ出す。..監督の人生をかけた最高傑作

  邦画界最高齢の現役映画監督、新藤兼人が自らの戦争体験を基に描く感動の人間ドラマ。終戦間際に招集された兵士100名のうち94名が戦死し、残った6名のうちのある男性に焦点を絞り、彼自身と戦死した友人の家族の崩壊と再生への道のりをつづる。生き残った元兵士を、『必死剣 鳥刺し』の豊川悦司、その友人の妻を『オカンの嫁入り』の大竹しのぶが演じている。新藤監督自身を投影させた主人公をはじめ周囲の人々の苦悩が胸に突き刺さる。
-----------
あらすじ: 太平洋戦争末期、中年兵として招集された啓太(豊川悦司)ほか仲間99名の運命は、上官によるくじ引きで決定した。仲間の定造(六平直政)はフィリピンに送られることになり、戦死を覚悟した彼は啓太に妻の友子(大竹しのぶ)が書いた一枚のハガキを託す。もし彼が生き延びることができたら、妻にハガキは読んだと伝えてくれと頼まれ……。 (シネマトゥデイ)
   
       [日本]      
 asianmediawiki      http://asianmediawiki.com/Post_Card_(Japanese_Movie)      
           IMDb
    http://www.imdb.com/title/tt1641397/    


 << 2本立て>>   [ 二重被爆] [二重被爆 語り部山口彊の遺言] 福井公開

  福島の原発事故による放射能汚染が「もしも」から現実の問題になって半年。「集中した原発を抱える福井」という私たちの切実な現実。重大事故にならないように…いつかは必ず解体し、核廃棄物・汚染物質は移送先決定まで安全に保管し続けざるをえない。 

 放射性物質は放射線を出しながら他の物質になるが安定物質になるまで崩壊し続ける。核分裂で数多く放射性物質ができ、半減期の10倍の期間で千分の1になる。半減期30年のセシウム137なら3百年で千分の1、百年で十分の1となる。自然・生態系では拡散・排出もするが極所で濃縮・蓄積もする。

 17日からメトロではドキュメンタリー『二重被爆』と『二重被爆 語り部山口彊(つとむ)の遺言』を2本立公開する。広島と長崎、両方で原子爆弾に被爆した人が二重被爆者。放射線被曝とは、体内被曝とはどういうことなのか、二重被爆者の60年の体験と遺言の映画上映を、真実を知る機会にしたい。汚染は孫・子の問題なのだ。

(2011 9月18日 毎日新聞福井版 『映画のはなし』    メトロ劇場 館主)

9月17日  〜9月23日  2本立て公開


原発抱える福井。放射線被曝とは、体内被曝とはどういうことか。ドキュメンタリー 「二重被爆」と「山口彊の遺言」2本の上映を真実を知る機会にしたい。

 広島と長崎、両方で被爆した人、それが『二重被爆』者
  ひとりは皆のために、皆はひとりのために

              二重被爆 語り部山口彊(つとむ)の遺言 
         Nijyuhibaku, Kataribe Yamaguchi Tsutomu no Yuigon /
           Twice Bombed, Twice Survived — The Last Words of Peace Speaker Tsutomu Yamaguchi 

監督 稲塚秀孝   山口彊
     人間の世界に核はいらない。残された命を「核廃絶」に賭けた
               @hibaku2  [日本]  http://www.hibaku2.com/     
IMDb  http://www.imdb.com/title/tt1931497/   
 
               二重被爆 
        Nijyuhibaku, /   Twice Bombed, Twice Survived 

監督青木亮【撮影】三浦貴宏 【音声】井崎二郎 【照明】川畑博嗣 【音効】門脇弘幸
 広島・長崎 2つの原爆体験者7人の証言記録
山口彊さん(90)
佐藤邦義さん(87)
岩永章さん(86)
松平和夫さん(66)
浦頭和子さん(67)
荒木良子さん(83)
賀谷美佐子さん(76) (2006当時)
   
         『二重被爆』   通信
http://www.geocities.jp/takiseeds/   



DATA  メトロ  平和 のサイト For Peace

2009年 2010年 DATAは BACKLIST を参照ください

2008

映画『靖国』  YASUKUNI    
   
         7月12日--7月25日   終了
       追加上映  8月16日--9月6日  終了
       
 
7月の上映 大盛況のうちに無事終了しました。
靖国を観る会の参加団体皆様、本当にありがとうございました。
懸念された右翼による上映妨害の行動もなく、市民による上映会が成功して本当によかったです。
支える弁護士の会の皆様による自主警備とご指導ありがとうございました。

8月の上映も予定どおりしますのでよろしくお願いいたします。


市民の会前売り券 8月上映も有効です。ご利用ください    7/26
映画「靖国」を理解するためのメモ ’08 8/6 版 アップロードしました 

 8月16日--9月6日      上映時間 
8/16〜8/22   @11:00 夜19:00
8/22〜9/5     @11:00 

 
主催 
映画『靖国』を観る市民の会・福井   

市民の会前売り券 発売開始  前売1000円(通常1500円) 

 チケットは,以下の各団体で取り扱っています。
 チケットをほしいという方は以下の各団体までお問い合わせください。
 ●福井映画サークル
 ●
メトロ名作上映会(メトロ劇場内)
 ●福井県平和・環境・人権センター
 ● 映画「靖国」上映を支える弁護士の会・福井


* 映画『靖国』を観る市民の会・福井  設立アピール

*   メトロ名作上映会のコメント  

  映画「靖国」の李纓監督より公開予定劇場へのメッセージ

 * Comment of Metro Cinema Club (English)  

* 映画「靖国」を理解するためのメモ ’080806

 * 映画「靖国」上映を支える弁護士の会・福井  http://www.ne.jp/asahi/yasukuniben/fukui/


 

DATA  メトロ  平和 のサイト For Peace

2007年 2008年 DATAは BACKLIST を参照ください


  2006 終戦61周年企画   ニッポンの終戦

   2006  終戦61周年 『映画をとおし 戦争と平和を考える』 

   2005 終戦60周年企画  ヨーロッパ編  

   2005 終戦60周年上映会  『日中戦争、太平洋戦争を忘れない』  2005.8.6 --2005.8.19
 
    "
We Never Forget W.W.2 in Asia for Peace "  English

映画『靖国』を観る市民の会・福井」   設立アピール

1 中国人の李纓(リ・イン)監督が約10年間にわたり靖国神社等を取材して制作したドキュメンタリー映画「靖国」について,上映中止という残念な事態が進行しています。
 文化庁所管の独立行政法人による助成金支出を一部の自民党国会議員が問題視し,また一部週刊誌が同趣旨の記事を書いたことで,右翼団体が騒ぎはじめ,右翼団体の街宣活動などを警戒した東京,大阪等の映画館が「近隣に迷惑がかかる」などの理由で4月12日の予定だった封切りを中止しました。
 社会的問題を扱う映画,大切な文化である映画が,私たち市民の目に触れる前に政治家や一部週刊誌に一方的なレッテルを貼られ,右翼団体から妨害を受けて葬られる,そんな社会でいいのだろうか?――このことが,私たちに問われています。

2  いうまでもなく,映画の上映は日本国憲法の保障する表現の自由に含まれるものであり,映画を観ることは市民の知る権利の重要な一環です。これらの権利は,この日本が民主主義の社会であり続けるために,最も大切にすべき権利であるはずです。それが今,土台から掘り崩されようとしているのです。
 観たい映画が観られなくなる,そんな暗い社会は,誰もがご免被りたいものですが,今,私たち市民が声を上げなければ,未来にはそうした暗い社会が待っているのではないか,そのことを私たちは強く危惧しています。

3 私たち「映画『靖国』を観る市民の会・福井」は,「まずはともかく映画を観たい」「映画上映が不当な圧力に妨害され,市民の権利や映画という文化が潰されることは絶対に許せない」という強い思いを一致点として,幅広い個人・団体が集まって作った市民団体です。
 いま全国で,多くの人たちが,私たちと同じように映画「靖国」を観たいと思っています。様々な妨害にもかかわらず,上映を決めた映画館が全国で9館,上映に向け調整中の映画館が14館となっています。法律家,マスコミ関係者,映画人,ジャーナリストなど,多くの人々による妨害に抗議する活動も進んでいます。私たちも,こうしたたくさんの市民・団体と一緒に,「誰もが観たい映画を自由に観られる社会」を守りたい,と思っています。
 私たちは,こうした立場から,不当な妨害にさらされた映画「靖国」の上映会を企画し,市民の皆さんに,一緒に映画「靖国」を観ることを広く呼びかけるものです。
  

2008年4月28日
           
               映画「靖国」を観る市民の会・福井

      
     呼びかけ団体
         福井映画サークル
         メトロ名作上映会
         福井県平和・環境・人権センター
         映画「靖国」上映を支える弁護士の会・福井

                                                                                                                                         
  映画「靖国」を観る市民の会・福井  発足に向けて                
                                     メトロ名作上映会のコメント  サンプルDVDを検討して

映画「靖国」の李纓(リ・イン)監督 を支持し上映を成功させよう
                      
       4月28日

映画「 靖国 YASUKUNI 」とは  
靖国思想、皇国思想の精神的支え・核心であった神秘的なベールに包まれた靖国神社。永住権のある在日中国人監督が 靖国神社と靖国神社をめぐる人々の今の考え方、姿、心情を最大限に理解しようとして作製したドキュメンタリー映画です。
大東亜共栄圏をつくる皇軍、神国日本 英霊を祀る(まつる)等々不思議な言葉の数々。 遺族会など一般の参拝者へのインタビュー。そのあいだに写し出される様々な軍服・戦闘服・制服で行進参拝する人々の姿。・・・やがてそれはかれらが靖国にふさわしいとする心情を体現したものだと気づく。 
合祀(ごうし)に異を唱える人々に対する神社側の応対や 神社境内から反対者を排除する人の姿・・・日本民族の優越性を主張する国粋主義を体現していることを理解する。そして、靖国神社での式典や参拝での様子から靖国神社支持の動きが国の指導者層にまで広がってきていることを克明に記録する。
戦後60年。靖国参拝は続いた。いま戦後世代に“愛国”ということばとともに靖国参拝運動として受け継がれようとしている―――。


平和を守るための 市民の知る権利 
福井映画サークルをはじめ市民の皆様と戦争を考え平和のための映画を上映し続ける中で知りえたことは、現代、世界各地でおきている内戦・地域紛争・戦争はナショナリズムを逸脱してその民族の優越性をかかげ他民族の排除にむかったときおきていることが多いということです。そのたびに、民衆の悲痛な叫びを聞きます。涙もかれた絶望の眼を見ます。共通な言葉は、『平和で豊かな社会だった。』『貧しくとも心豊かな社会だった。』『昨日まで人種や考えをことにした人々が隣人だったのに。』『まさかこのような深刻な分裂・対立、筆絶の惨状になろうとは思っていなかった・・。』その後の荒廃も長く続き、和解へどれだけの努力と時間を要するか教えています。
日本は民主国家だから大丈夫というわけではありません。民主主義においては多様な文化・考え方・多様な人々との共存を前提とするがゆえに、いろいろな問題を内包しています。日本の平和と民主主義にとっては国内においても、また国際間においても、その問題を平和的に対処できるよう、強く、辛抱強くあるべきですし、そのためにはその問題の本質を知っていなければならないのです。この映画は平和を考え、守っていくうえで貴重な情報を伝える映画です。


映画「靖国」をめぐる現在の状況 映画「靖国」を観る市民の会・福井 発足に向けて

映画「靖国」上映予定映画館が右翼団体等による妨害をうけ上映を中止したことが広く報道されました。その後、上映館が再編成され5月3日よりの全国順次公開予定が公表されました。しかし、直接の上映妨害の恐れは消えたわけでなく、むしろ、右翼団体による事実上の検閲というべき右翼団体への試写会を容認してしまうなど、その右傾化の影響で、映画関係者ばかりでなく、多方面にわたり、沈黙と、自主規制が広がっています。
メトロ劇場には、映画「靖国」の上映の要望がファックス、ホームページ上の書き込み、電話などを通してあります。また上映希望アンケートのなかで 投票数が一番多い作品が映画「靖国」です。しかし、一映画館としては東京・大阪等で起きたような妨害に対して耐えられません。
本日 幸いにも 映画「靖国」を観る市民の会・福井が発足することとなり、映画「靖国」の上映が市民上映会としてできるようになりました。この会の手による映画「靖国」上映は、市民の知る権利と表現・言論の自由を実現・行使することになると考え、メトロ劇場はメトロ名作上映会として参加します。

映画「靖国」の李纓(リ・イン)監督 を支持し上映を成功させよう
4月21日に映画「靖国」の李纓監督より公開予定劇場へのメッセージが届いています。李纓監督が様々な中傷・妨害に耐えながらも、この映画「靖国」によって日本の市民に伝えたいこととは何なのか、是非ご覧になってください。

                                                                                              メトロ名作上映会

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映画「靖国」の李纓監督より公開予定劇場へのメッセージ

映画『靖国』の公開劇場の皆様へ

この度は、映画『靖国』の上映をお引き受けいただき、大変ありがとうございます。
稻田朋美および有村治子、両国会議員による政治介入に端を発したこの度の上映妨害の動きにつきまして、皆さまのところにはマスコミ各社による報道を通して、事態の推移が伝わっているものと存じます。
映画『靖国』に対する不当な圧力から映画上映を守るべく、すでに弁護団が結成され、李纓(リ・イン)監督、製作会社龍影、および配給会社を強力にバックアップする体制がつくられております。
さらに今回の問題を、広く「表現の自由」及び「知る権利」への侵害と捉え、ジャーナリストによる連絡会も準備されました。
なお、一部マスコミで報道された以下の点につきましても、全くの不当な映画への検閲であり弾圧であると捉えています。
映画にご出演いただいている刀匠の刈谷氏には、映画完成の時点でお見せし承諾を得ており、先日のマスコミ取材に対しても、ご本人は上映中止の意思のない旨の発言をされております。
また、撮影時の許可等に関する靖国神社からの質問状につきましても、何ら当方に問題点はなく、現在弁護士を通して回答書を準備中です。
今回の件につきまして、多くの一般の方々から励ましのご連絡をいただいておりますが、映画『靖国』の上映成功に向け、劇場の皆さまとともに粛々と公開の準備を進めてまいる所存です。
皆さまには引き続きお世話をおかけいたしますが、今後ともご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

  2008年4月21日


                     映画『靖国』製作会社 龍影
                           映画監督  李 纓


Our right to know ------ for our democratic society to keep peace  


We, Metro Cinema club, with Fukui citizen, especially, with the Fukui Movie Circle Community had many chance to show great anti-war movies to keep peace. 
And we recognized these important facts.
1: Recent days, civil war or war occurred in case the people or the race thought superior to another with hot and narrow nationalism and at last, begun holocaust. 
2: In these wars, we always hear the same murmur.
”That was so peaceful and wealthy society.” ”That was not wealthy but warm society.” ”They were good neighbors with different religion or ideology, even another race.” “I can not believe! And, Why?” 
3: After the war or after stopping the war, disastrous and miserable society continues for a long time, with peoples depressed, with difficulty to rebuild. 

Is democracy so strong to endure such emergency in Japan? Recently, we know democracy depends upon many different cultures, races, thoughts, senses of value and various histories, so that it contains many problems in itself. To keep Japanese safety and peace, basically our Japanese democracy, we must have strong mind and be patient for such problems internal or international in peacefully. And to do so, our right to know fundamental truths is most important right to analyze, judge, deal and solve. 
This movie, “YASUKUNI”, has very important information to keep Japanese peace and democracy.


Present Circumstances about the movie “YASUKUNI”
We knew on TV or newspaper that almost all theaters canceled the schedule to show the movie “YASUKUNI” to fear the violence of “UYOKU” troop, ultra-nationalists. After that, we knew the announcement of the restart of the show in another theaters from May 3. But the fear of violence hasn’t disappeared. Rather, the dark mist of violence is spreading. And mass-communication wrote or announced the premium show for “UYOKU” with their opinion without critics. We must recognize that was just the inspection by ultra-nationalist. The influence of dark mist is spreading not only movie community but also journalists or more. And it brought silence and surface obedience, like just before beginning of Nazism. 
We, Metro Movie Theater, accepted many requests of “Yasukuni” by Fax, BBS on HP or by telephone, and also great request of visitors’ votes of request. But Metro, as a commercial theater, cannot endure such disturbances and fear for violence and loss.

Today, fortunately, we gathered together as the Citizen Community to see the movie “YASUKUNI” in Fukui. And we Fukui citizen will be able to see the movie by ourselves. Under democratic rule in emergency of democracy, we, Metro Movie Theater, join the community as Metro Cinema Club. Because, we believe that the showing the movie “YASUKUNI” by this community is just doing and realizing of freedom of speaking and expression also our right to know.

           April 28             
                           Metro Movie Theater, Fukui
                           Metro Cinema Club

 


映画「靖国」を理解するためのメモ 

           市民による「靖国」上映運動を進めながら知りえたこと  

      
                                                  メトロ名作上映会                  Last ‘080806

靖国神社
  
    1945年8月終戦まで 日本帝国陸海軍は戦争等軍務によって死者がでたとき、国家神道により靖国神社に 神霊(靖国の大神)・英霊 として合祀して死者・遺族へ名誉を図っていた。この靖国神社を頂点とする国家神道は日本帝国の戦争遂行上の精神的支柱であった。 
旧日本軍将校がもつ軍刀、日本軍の象徴・・・菊と刀。靖国神社は、剣と鏡をご神体とする。靖国神社境内では昭和8年より終戦まで古式の製法を復活して軍刀・靖国刀がつくられていた。軍刀は占領地での日本軍およびその軍政下の圧制の記憶 処刑に使われた記憶と結びつく(映画「靖国」にはそのような写真も出てくる。)

皇国思想  
 
皇国思想では、日本国民(日本民族)は他の民族より優越していて、日本を中心とした秩序になるべきであるとした
(八紘一宇 はっこういちう:天皇人間宣言で否定された考え方)。
日本は植民地の皇民化政策をとり各地に神社をつくった。

台湾神宮、朝鮮神宮、関東神宮(旅順)、南洋神社、建国神廟( 満州1940年::祭神は兄の国日本の神 天照大神) etc. 


日本帝国の戦争 
1931年 満州事変。内戦中の中国の東北部を占領。満州国(1932年)を作り植民地化。

1937年 支那事変。中国全土に日本軍は侵攻した。(日中戦争:中国は侵略され、広大な地域が占領された。中国は抗日民族統一戦線を結成し、国民政府は首都を南京から重慶に移して抗戦。事実上の全面戦争化し、日本は最高統帥機関・大本営を設置)

1938年 第1次近衛内閣は この戦争の究極の目的を東亜に於ける新秩序の建設とし、 現代日本国民に課せられたる光栄ある責務なり、また 列国(欧米諸国)も帝国(日本)の意図を正確に認識し、東亜の新情勢に適応すべき(日本の作る秩序を認めるべき)とした。(今次征戦:11月3日近衛内閣発表:しかし英・米・ソは中国を物的・人的に支援した。) 
同年 国家総動員法制定(政府は戦時に国防のため勅令で人的・物的資源を統制運用し、出版物を制限する)

1939年(昭和14年) 内務省令によって明治時代に日本各地に設立された招魂社を改称して護国神社とした。
同年 第2次世界大戦がはじまる。

1940年 日独伊三国同盟条約 (同年 南京に汪兆銘かいらい傀儡政権をつくる。 国内ではナチスを模倣し大政翼賛会を発足)

1941年 大東亜共栄圏を建設途上の日本帝国は 自存自衞ノ爲(開戦の詔勅)として
米英に対して大東亜戦争(太平洋戦争:日・米・中国の世界大戦参戦)を始めた。

敗色濃くなった 大戦末期、本土決戦等の戦争遂行の思想強化(一億総玉砕の思想)として靖国・護国神社体制が強化された。(万歳攻撃、特攻、靖国で会おう, 靖国の母・・・など)。
       「同期の桜」五番 貴様と俺とは同期の桜 離れ離れに散ろうとも
                         花の都の靖国神社 春の梢(こずえ)に咲いて会おう(昭和19)

1945年6月 義勇兵役法が成立施行された。男15―60歳、女17―45歳の民兵組織 国民義勇戦闘隊2800万人を本土決戦に動員予定だった。装備は各自が用意の鎌や竹槍など。沖縄戦では爆雷による自爆攻撃も。( ナチドイツの国民突撃隊は男のみ。装備は携帯式対戦車砲・銃)


戦後 
戦後 ドイツでは、ニュルンベルク裁判だけでなく、国内法で戦争の責任者を追及し、自由と民主主義を否定する団体を非合法化した。
日本では、GHQは、一部戦争責任者を除く旧体制で占領政策・民主化・非軍事化政策を進め、戦時政策は復興のため援用された(配給等統制経済・政府指導)。国民合意も復興と経済発展だった。

1951年のサンフランシスコ平和条約において  日本国は、極東国際軍事裁判所(A級戦争犯罪)並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷(B・C級戦犯)の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するもの・・とした。(第十一条【戦争犯罪】: 
 A 平和の破壊又は侵略行為(国連憲章) への戦争指導者の責任「平和に対する罪」、
 
B 捕虜虐待など「通例の戦争犯罪」、
 C 戦争遂行目的でなされる「人道に対する罪」)

1968年 戦争及び人道に対する罪に対する時効不適用条約が国連総会で決議され,1970年に発効。日本は棄権し 批准もしていない。

戦後、日本軍の名簿を引き継いだ厚生省による戦没者等の遺族年金などの給付が進む一方、一宗教法人になった靖国神社への戦没者の合祀はすすんだ。
B・C級戦犯の合祀もなされた。
1975年(昭和50)天皇による最後の靖国神社参拝。
1978年(昭和53)A級戦犯(この年より靖国神社は「昭和殉難者」の呼称を用いる)の合祀がなされた。

≪先の戦争を遂行するために使われた 靖国思想 皇国思想が、戦後 誰にどのように受け継がれたか≫
これを映画「靖国」で考えてみよう


極右思想、皇国思想, そして 靖国をどう考えるか
 市民として 常識で考えることです。
 靖国神社を考えるとき 靖国で会おうと言って約束した現存の人たちや 遺族のうち靖国を父・兄等に会える場所とする方々への深い配慮が必要です。信仰としての平穏と平和を願う気持ちを傷つけてはならないのです。戦後60余年、戦争の精神的後遺症をケアしてきたでしょうか。この方々も、靖国神社との一体感をアピールし皇国思想を広げようとしている人達には違和感をもっているはずです。  


国民に 一億総玉砕 を迫ったこと ・・・帝国臣民の人権とは
先の大戦は皇国思想をはじめとする奔流がとてつもなく強く、その軍国日本の狂気と軍部・政治・経済・社会・文化全体が呼応し、なぜ国全体が有無を言わさぬ最悪の悲劇−残酷・悲惨な戦争をしたのか。
ただ1つ1つ見ると国内外の情報を共有せず、戦争を遂行する者にアクセルを奨励しブレーキを禁じる破局へのシステムだったことに驚く。
ひとつの要因としては戦時国際法として非戦闘員・投降者等保護など 戦争の国際ルールである
  ハーグ陸戦条約(1907年批准:今日に至る) と
  ジュネーヴ条約(1929年;日本は署名を行ったが批准しなかった。
                  日米開戦後米国は遵守する意思を 中立国を通じて表明)
がありながら、兵士・一般国民には知らされなかったことが挙げられるだろう。
   B(捕虜虐待等) C(人道に対する罪)級戦争犯罪、
   玉砕、
   島民の集団自決など を招いたのではないだろうか。

しかし、軍人(将も兵も皆)はハーグ陸戦条約があっても国内法・軍律に基づいて規制されていたのだ。
軍人勅諭
(ぐんじん ちょくゆ) 1882年 明治天皇が陸海軍に下賜)
        忠節を守り義は山岳よりも重く死は鴻毛(こうもう)よりも軽し・・・陸軍では暗唱させられた

戦陣訓
(せんじんくん)      生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず・・・
   (1941年1月に当時の陸軍大臣・東條英機が示達した訓令)
       
陸軍刑法
 (公布:1908年 改正:1942年 ・・・上官に対する絶対服従だけを定めた法律ではなかった
軍の司令官は可能な限りのことをしないで、降伏したり陣地を明け渡したら 死刑(陸軍刑法40条,海軍刑法35条)、可能な限りのことをしてから降伏した場合でも 6か月以下の禁固(陸軍刑法41条)
――いずれにしろ司司令官にとって降伏は 死刑か、生き恥をさらす有罪。最後まで死守するか、自決か 最後の万歳攻撃 の究極の選択。結果、数多くの玉砕の悲劇が起こった。
(国民義勇戦闘隊にも 陸軍刑法・海軍刑法は刑を減軽できるが適用された。文字通り一億総玉砕体制)

1945年天皇の終戦詔勅があるまで 誰も降伏できなかった。 
残された道 英霊となって靖国で会うこと。

今生きている私たちは 
  
戦争体験者(戦地でどうにか生き延びふるさとに帰りついて、または内地にいて空襲を必死で逃げ延びて、戦後の大混乱を生きぬいてきたもの)と、戦争を体験した父母・祖父母から 言葉で言い尽くせない苦しい体験と生きる大切さを教えられてきた子・孫です。
なぜそのような悲惨な戦争体験をしなければいけなかったのか その基本的な疑問と戦争の記憶を原点とする私たちには、美しく戦争を語る者との違和感は近年ますます大きくなっています。
この映画「靖国」は、私たちの生きてきた歴史を直視し、軍国日本と決別し、語り継ぐべき歴史とする勇気を与えてくれる映画です。

アジア諸国に対して 
 1000年をはるかに超える長い交流の歴史で、相互に文化・歴史の深さ、民族・宗教の特徴を知っているのに どうして日本は優越を考えたのだろうか。
アジア諸国は日本に侵略され占領された不幸な歴史を持つ。
誰が、何故 先の大戦をし掛け、全日本国民を駆り立てたのか説明し、今後そのようなことのないことを分かってもらうのは日本の責任です。
当然のことですが、多様な社会・文化・歴史を認め合うこと本来の価値を共有することになり豊かになります。
反対に自国の多様な文化を否定し、継承しなければ自国の豊かさを失います。
否定し合ったのは冷戦時代のこと。
現代は相互理解と調和とバランス、そして適切な対応と忍耐が必要な 友好を超えた現実の関係なのです。


民主主義では 
平和憲法を持ちながら、もしかすると私たちが選んだことが戦争へ繋がる道であるかもしれません。
問題が起きたとき、様々な人が市民として参加し 情報を共有し 個性を出し合い対応するのが 市民運動。
つまり私たちは別の様々な解決策に変更・選択できるのです
      …これが市民社会の民主主義です。

 

 

終戦61周年企画   ニッポンの終戦         <企画 > メトロ名作上映会

今年の夏は  6月 『 ホテル・ルワンダ 』                現代の戦争‐‐内戦 
          『 白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々 』  ナチに対する抵抗運動
       7月 『 戦場のアリア 』       1次大戦、兵士たちのクリスマス休戦
を上映しました。

2006年ニッポン編を贈ります。 アップロード遅れて申し訳ありません。

『 紙屋悦子の青春 』KAMIYA ETSUKO NO SEISHUN   
11/4(土)〜11/17(金)
監督 黒木和雄
主演 原田知世 永瀬正敏 松岡俊介 本上まなみ

黒木和雄監督 遺作。戦争3部作、最終章

自分の意思を胸に収めた 戦時中の女性の青春を描く
戦火に芽生えた淡い恋- 終戦を間近に控えた鹿児島の田舎町。春、咲き誇る桜の木下で二人の若者が美しく純朴な娘に恋をし、娘もまた初めてのときめきに胸を焦がします。
紙屋悦子は兄の後輩 明石少尉にひそかに思いを寄せていた。ところがある日、兄は別の男性との見合いを悦子に勧めてきた。それは明石の親友、永与少尉。明石自身も縁談成立を望んでいるらしい。一目ぼれした永与は率直な愛情を示す。
明石は特攻隊に志願し、最愛の人を親友に託そうとしたのだった・・・。

★戦争を決して美化しない。多くの肉親・友を失って心に深い傷を背負って生き残った者たちの話です。

 

 le soleil    The Sun
12月9日〜1月12日
 
監督 アレクサンドル・ソクーロフ
 主演 イッセー尾形 ロバート・ドーソン 佐野史郎 桃井かおり

 日本での公開不可能といわれていた あの映画が今幕を開ける
 第13回サンクトペテルブルク国際映画祭でグランプリ

 昭和天皇ヒロヒト−彼は悲劇に傷ついた、ひとりの人間。
 闇は、まだ明けなかった。1945年8月。そのとき、彼は庭師のように質素な身なりをしていた。その人の名前は、昭和天皇。宮殿はすでに焼け落ち、天皇は地下の待避壕か生物研究所で暮らしていた。「私の体は君たちと変わらない」彼を神の子孫だという侍従たちに天皇は言う。失われる多くの命。米軍の爆撃機。見る見るうちに焦土となる東京。戦争をとめることができなかった天皇の孤独と苦悩。彼は「誰からも愛されていない」と呟き、遠く離れて暮らす皇后と皇太子たちのアルバムに唇を寄せた。やがて、連合国占領軍総司令官マッカーサーとの会見の日が訪れる。彼は、ひとつの決意を胸に秘めていた・・・。   戦争という悪夢の中で引き裂かれる、一人の人間の苦悩と孤独、そして、彼の愛する家族をめぐる映画。
「太陽」はアレクサンドル・ソクーロフ監督が、ヒトラーやレーニンを描いてきた3部作「20世紀の権力者」のひとつとして、これまで誰も描いて来なかった昭和天皇をテーマに据えた作品。


→ ロシアの鬼才アレクサンドル・ソクーロフが昭和天皇を主人公にした問題作。神と崇められ、戦争に翻ろうされた天皇が、終戦から一転して「人間宣言」へ至る苦悩と孤独を詩的なタッチで描く。昭和天皇役には映画、舞台以外にも多方面で活躍するイッセー尾形がふんし、桃井かおり、佐野史郎が共演。天皇ヒロヒトの人間的側面に迫る本作は、第55回ベルリン国際映画祭など各地で絶賛された
 

★こうして私たちは、天皇の臣民ではなくなった。だが、いつから日本国の主権者・国民として自覚したのだろうか。この映画はニッポンの外から見た敗戦の天皇の姿をえがいているが、内側から私たちの知りうる菊のカーテンの中の天皇の姿との違いに衝撃を感じ、戦争の歴史認識の甘さを痛感させられる。

★この映画の理解のための補足   
  連合国軍最高司令官総司令部(GHQという通称)     の項 より            フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』抜粋

1945年(昭和20年)
8月14日 日本が降伏の旨を中立国を通じて通告し、勅語を発布する。 
8月15日 国民に向けての玉音放送
8月30日 アメリカ合衆国陸軍マッカーサー元帥が神奈川県厚木飛行場に到着。車両で横浜に入る。 

9月8日 連合軍、東京に進駐する。以後、都内の建物600箇所以上を接収
9月11日 マッカーサー、東條英機らA級戦犯容疑者39人の逮捕を命令(東條、自決に失敗)。 

9月16日 連合軍本部が横浜から第一生命相互ビルに移転。 

9月27日 昭和天皇、マッカーサーを訪問(2人並んだ写真が新聞に公開され、国内に衝撃を与える)

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終戦61周年 『映画をとおし 戦争と平和を考える』 −歴史を風化させないためにー

                             <企画 > メトロ名作上映会  

昨年2005年夏 メトロ名作上映会は福井映画サークルと共催の終戦60周年上映会をいたしました。その際は、多くの支持・支援ありがとうございました。そして継続することの大切さを知り、9月、10月、12月に『終戦60周年ヨーロッパ編』を企画上映しました。

戦争って何?? 世界の戦争と日本、現代の日本について考える

戦争を止めること・平和を守ること・戦争への道を選ばないことは容易なことではないようです。
注意しなければいけないのは戦争映画という言葉です。戦線の激しい戦闘シーンを見て戦争映画としてきたことです。60年間、テレビを含めて戦争映画を見続け、 戦闘に巻き込まれていないから戦争でなく “平和”だと日本中が思ってしまっています。
現代においては すでに交戦国や内戦中の国がある一方、停戦中の国も 国交断絶 経済制裁もあります。戦争景気を待ち望むもの 武器を輸出するものもいます。戦争が始まると、戦争に勝つことが唯一の目的にされ、政治、経済、文化すべてが戦争目的に一致させられます。現代においてはさらに巧妙に情報までがコントロールされています。
グローバル化が進み、注意していないといつの間にかどこかの戦争に加担していることになってしまう時代です。昨年でわかったことは映画が戦争の歴史の語り部になりうることです。それぞれの映画の製作された意図、時代を映画を通して紐解くことで、そこに描かれていないことを含めて そのメッセージは、評価、再評価されて後世に残されることでしょう。戦争という状態に一歩でも近づかないようにするために映画から多くのことを知ることができます。そのことが平和を考えるきっかけになると思います。

2006年 夏の企画  今年は終戦から61年目。 これからも長く続く地道な活動にしたいと思っています

『 ホテル・ルワンダ 』 Hotel Rwanda (メディアスーツ)
6月3日〜6月23日

監督 テリー・ジョージ
主演 ドン・チードル ニック・ノルティ ホアキン・フェニックス
魂を揺さぶる―感動の実話
'04年度 アカデミー賞主演男優賞&助演女優賞&脚本賞ノミネート
「愛する家族を守りたい。」
ただ1つの強い思いが、1200人の命を救った…。  
舞台は1994年、アフリカのルワンダ。長年続いていた民族間の諍いが、大虐殺に発展し、100日間で100万もの罪なき人々が惨殺される。アメリカ、ヨーロッパ、そして国連までもがこの悲劇を黙認する中、4ツ星ホテルに勤める支配人 ポール・ルセサバギナは行き場のない人々をホテルに匿いはじめる…。
虐殺者たちを懐柔し、翻弄し、時には脅しながら、彼はたった一人で避難民たちの命を守りぬいた…。家族を守ることだけを考えていた一人の父親が、1200人を救うヒーローへと飛躍する奇跡の過程を描いた実話。
“日本でも公開を”と願った若者たちがインターネットで運動を展開。その熱意が実り公開となった話題の社会はドラマ。
           
地球の裏側にあっても戦争の影響を受ける時代。現代に至っても民族主義が暴走すると、民族優越から他民族虐殺をもたらす。1994年ルワンダ内戦。 遥かなたアフリカのことだから自分に関係ないと耳と目をふさいで日本は平和だと思っていた。こんなにひどい内戦と虐殺があったのに・・・  家族の愛・勇気・国際政治の現実

白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々 』 Sophie Scholl - Die letzten Tage  (キネティック)
 6月17日〜7月7日
 監督 マルク・ローテムント
主演 ユリア・イェンチ(ヒトラー最後の12日間)   アレクサンダー・ヘルト
 ファビアン・ヒンリヒス   ヨハンナ・ガストドロフ   アンドレ・ヘンニック 
第55回ベルリン国際映画祭 三冠☆受賞(銀熊・最優秀監督・最優秀女優賞 )
第78回アカデミー賞外国語映画賞ドイツ代表

歴史のヒロインの姿を鮮烈に蘇らせる感動の実話
ゾフィーの壮絶な勇気に、世界がすすり泣いた。
1943年、ヒステリックに全面戦争の勝利を叫ぶヒトラー独裁政権末期。誰もが身をすくめていた時代、ヒトラー打倒を市民に呼びかけた実在のグループ“白バラ”の紅一点、ゾフィー・ショル。史実は戦後、ドイツの女性英雄として名を刻まれるゾフィーと、兄のハンス、白バラの仲間のクリストフが2月18日にミュンヘンの大学構内で逮捕され、5日後に人民法廷で大逆罪を宣告され、即日書っ刑されたことを伝えている。しかし、逮捕からの5日間の彼らの真実は長い間、謎に包まれていた。ゾフィーは何を思い、ゲシュタポの尋問間と向かい合ったのか?ナチスは何を恐れていたのか?このゾフィー・ショルと白バラの秘密が、今、初めて明かされる―。
21歳の短い命を澄んだ瞳で見つめ、仲間を守り、明日への希望を祈ったゾフィー・ショルの壮絶な勇気が今私たちの胸を熱くする!

戦後、ゾフィー・ショルは暴力と抑圧に立ち向う市民の勇気のシンボルとなった。  
ドイツでは、二度と戦争を起こさないためにその事実(ナチス政権・強制収容所の実態)を知る責任があるとして次世代に教育している。旧同盟国の日本はどうだろうか?世の中が戦争に向かっていってしまっている状態や戦争に巻き込まれたとき、戦争に反対することは非常に大変なこと。戦争が近づく前に現実の平和を考えることとは?

 『 戦場のアリア 』    Joyeux Noel (角川ヘラルド)
7月29日〜8月18日 
歴史に置き去りにされた、真実の物語 兵士たちのクリスマス休戦   
第一次世界大戦。戦場に響くすばらしい音色が引き起こした、心温まる奇跡。
監督 クリスチャン・カリオン
主演 ダイアン・クルーガー(トロイ) ベンノ・フェルマン ギョーム・カネ
'06アカデミー賞外国語映画賞ノミネート ゴールデングローブ賞ノミネート
STORY: 1914年、第一次世界大戦下。フランス・スコットランド軍と、ドイツ軍が連日砲弾を鳴り響かせている北部の村。クリスマスだけは家族の元に帰りたいと兵士の誰もが願ってはいたが、戦況はますます激化。やがて訪れたクリスマスの夜。ドイツ軍には10万本のクリスマスツリーが届けられ、スコットランド軍の塹壕からはバグパイプの音が響き、兵士たちのコーラスが加わった。歌声は国境を越えて、懐かしい故郷と愛する家族を思い出させる。そして奇跡起こった−。
 
第1次世界大戦初年1914年クリスマス休戦後、各国は長期国民総力戦へと突入し、戦争遂行に反するこの事実(事実上の各国兵士による反戦・平和ゼネストの成功)は第2次大戦を含め長くその後の正史から抹殺された。誰のための戦争なのか? 兵士たちはそもそも戦う必要はあったのか?ヨーロッパがEUになった今、20世紀の戦争の意味が問われる。史実を元に映画は問いかける。戦争の本質を摩り替えてうまれた国土と家族を守る祖国防衛戦争とは?

映画から、あなたは なにを感じ、考えますか・・・?   
                            
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終戦60周年企画    ヨーロッパ編 
戦争を止めること・平和を守ること・戦争に近づかないようにすることは容易なことではない様です。
ヨーロッパ・EU 特にドイツではどう考えるか是非ご覧ください   

9/17(土)〜9/23(金) “戦争のはじめかた
映画祭のワールド・プレミアムで好評を博し、全米公開が決定した次の日があの9・11のテロ。全米公開5度延期の問題作。アメリカの軍の実態を暴く衝撃作です。

『戦争のはじめかた』
Buffalo Soldiers

監督 グレゴール・ジョーダン
主演 ホアキン・フェニックス エド・ハリス アンナ・パキン
前代未聞、全米公開5度延期!!
2001年9月のカナダ・トロント国際映画祭のワールド・プレミアで会場を騒然とさせ、その評判からミラマックス社が直ちに全米配給建を獲得。しかし、その翌日は、あの「9月11日」だった・・・ 
だって、自由の国なんだもん!
対テロ戦争中のアメリカが最も恐れた映画
戦争は嫌だけど・・・・平和は死ぬほど退屈だ!?
実在の人物の体験談に自らのリサーチを加えてロバート・オコナーが書き上げ、ピュリッツァー賞フィクション部分にもノミネートされた小説、「バッファロー・ソルジャーズ」が原作

ベルリンの壁崩壊直前の1989年。西ドイツに駐屯する米陸軍基地では、軍の規律が緩み放題で、平和ボケしかけた上級士官たちは昇進でアタマが一杯だった。戦う相手もいない。そんな中、エルウッドも退屈しのぎに物資の横流しからヘロインの密売などに手を染めていた。ところが、基地の浄化を公言するリー曹長が新たに着任し・・・。それはまさに、これから起こる惨事の前触れだった。アメリカの迷走は今に始まったことではない。時代はブッシュ(父)に遡り、戦争はこうしてはじめられる

  
10/1(土)〜10/14(金)
 ”ヒトラー最期の12日間”
 タブーであったドイツからの歴史証言です。全てを目撃したヒトラーの秘書が明かす驚愕の真実の映画化です。

ヒトラー 最期の12日間』

Der Untergang / DOWNFALL

監督 オリヴァー・ヒルシュビーゲル
主演 ブルーノ・ガンツ アレクサンドラ・マリア・ララ トーマス・クレッチマン
本年度アカデミー外国語映画賞ノミネート
全世界激震!彼の敵は世界
誰も描けなかった驚愕の真実に世界が揺れた。
緊張感あふれる衝撃の155分。今あなたも"歴史の目撃者"になる。
1945年4月20日 ベルリン ソ連軍の砲火を避けるため、地下要塞に退却したヒトラー。若き秘書のユンゲは追 い込まれる彼やナチスの姿を目の当たりにする。謎に包まれた"ヒトラー"の最期、そしてナチスという一つの組織 の崩壊劇。全てを目撃した秘書が明かす驚愕の真実、ドイツからの歴史証言

 12/3(土)〜12/9(金)

マイ・ファーザー
 
(アルシネテラン)
My Father, Rua Alguem 5555 /Papa Rua Alguem 5555 

監督 エジディオ・エローニコ
主演 トーマス・クレッチマン 
チャールトン・ヘストン『ベン・ハー』

 F.マーレイ・エイブラハム『アマデウス』

原作 ペーター・シュナイダー 

父よ、あなたは本当に罪人だったのか・・・。
父の罪は、幾千もの命を奪ったこと。
子の罪は、その男を父に持ったこと。
1977年1月、ブラジル、マナウス。35歳のヘルマンは実の父親と初めて対面しようとしていた。アウシュビッツ収容所で多くの人体実験を行い、“死の天使”として恐れられた医師ヨゼフ・メンゲレ。この男こそ、ヘルマンの父親であった。30年以上逃亡生活を送るメンゲレは自らの罪を決して認めない。幾度となく繰り返される父と息子の衝突。父親を理解したいと望むヘルマンの心は次第に絶望へと変わっていく・・・。
1985年。メンゲレの白骨死体が見つかったとの報道で、彼の死について問いかけられたヘルマンは、長い沈黙の後、父との苦悩と葛藤の日々を語り始める。
父は残酷な犯罪者だったのか−ー実在したヨゼフ・メンゲレ、その息子の証言を元に描かれる、衝撃の真実!

2大アカデミー俳優と、ドイツの注目俳優の豪華競演。

[日本] [イタリア(English)]
Variety.com
http://www.variety.com/review/VE1117923071?categoryid=31&cs=1
TAM TAM IL DAILY DI ITALIA CINEMA
(Italia, & English)



             
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戦60周年上映会

『日中戦争、太平洋戦争を忘れない』 
−歴史を風化させないためにー
                             " We Never Forget W.W.2 in Asia for Peace "
                               福井映画サークル協議会    メトロ名作上映会  

映画で知る戦争の真実  ――上映会の意義

2005年 夏、終戦60周年を迎えることになりました。戦争体験者が非常に高齢化が進んでいるばかりでなく、体験者にとって思い出すことさえも辛い体験であるため、平和への伝承が困難となってきました。国内の戦禍、空襲、原爆、沖縄戦については比較的語られてきましたが、軍隊の内部、海外戦地での姿に触れられる機会がほとんどありません。
この上映会では 戦中、戦後に制作され日中戦争、太平洋戦争をテーマにした数多くの作品の中より、世界的評価を受けている国内外の映画作品を選び特集しました。これら作品を上映することにより、記録・ニュースでは味わうことの出来ない、軍隊にいた人々の人間としての苦悩、戦場となった国の人々の怒り・苦しみ・恐怖、そして戦地での日本軍の姿を知ることができます。この上映会をすることが 軍隊の内部・海外の戦地での精神面からみた戦争の語りべ になり、そのこと自体が “歴史を風化させないこと”になると考えます。


平和に向けての試みとして


映画を通して次の世代へ、戦争体験を東アジアの人々と共通の歴史として伝承する新しい試みになればと思っています。東アジアの人々と話すとき、相互理解の手助けになれば幸いです。
昨今は特に若い人が政治に無関心と取り沙汰されていますが、無関心さの所以は歴史を自分の歴史、人間の歴史として認識していないからだと思います。戦争の事実、戦争の悲惨さを記憶にとどめ、平和について個人レベルで考えるきっかけになればと思い、企画しています。

語り部としての映画   上映映画を通して

@ 日本は徴兵制の下、どのような軍国主義教育をし、帝国軍人として戦地に送り出していたか 
A 日本軍は、海外の戦地ではどのような軍隊であったか。そして戦地でどのように終戦を迎えたか。
B 戦時中 当時の国民は映画によってどのように戦争を知らされていたか。  [土と兵隊 1939 ]
C 戦場となった国の人々は日本軍をどのように見ていたか  [ 鬼が来た!  戦場のメリークリスマス ]
D 戦後日本の反戦・平和への思いとは  [ 真空地帯 1952、 ビルマの竪琴 1956、]
E 現在、世界に国際映画祭受賞等により知らされている日本軍のイメージとは [ 鬼が来た! 、 戦場のメリークリスマス ]
F そして   あなたの思い

上映作品

  土と兵隊』 
  Tsuchi to Heitai 
 /  Earth  and  Soldiers  / Terre et Soldats
s  (1939) 日活
     監督 田坂具隆 原作 火野葦平 脚色 笠原良三 陶山鉄
  (出演) 小杉勇 井染四郎 菊池良一 長尾敏之助   
   ☆USAより返還された日本の国策映画の一典型的大作
この映画は日中戦争(1937〜)のさなか、1939年日本国内の撮影所と中国本土の日本軍占領地でロケされた。
中国杭州湾上陸後内陸へ行軍につぐ行軍。戦場の日常性、軍靴の音。泥道。日章旗。 銃後の国民は日本の聖戦を信じた 
     キネマ旬報 
English       http://us.imdb.com/title/tt0162714 

 真空地帯
 
 Vacuum Zone  (1952)  独立プロ名画保存会 
        監督 山本薩夫 原作 野間宏 脚色 山形雄策  
  (出演) 神田隆 加藤嘉 岡田英次 沼田曜一 西村晃一 木村功   
     ☆監督や俳優の多くは実際の軍隊経験者
国内の兵営で、召集された青年が訓練され帝国軍人として戦場に送り出されるまでを精密に描く
    キネマ旬報
           English  http://www.imdb.com/title/tt0045146/ 

  ビルマの竪琴
  Burmese Harp     (1956)   日活  
    監督 市川崑 原作 竹山道雄 脚色 和田夏十
    (出演) 三國連太郎 (隊長) 安井昌二 (水島上等兵)    
 1945年 ビルマの密林を日本軍は敗走していた・・。
 美しい竪琴の音に、理想と祈りをこめて全世界に訴える人類愛の歌声
                              <公開時ポスターより>
 
キネマ旬報    
English   http://www.geocities.com/Hollywood/Bungalow/1204/burmese.htm

         
BBC    http://www.bbc.co.uk/bbcfour/cinema/features/burmese-harp.shtml



 戦場のメリークリスマス
Merry Christmas Mr. Lawrence (1983)
大島渚プロダクション
       監督 大島渚 
            音楽 坂本龍一 原作 ローレンス・ヴァン・デル・ポスト  
 (出演)  デビッド・ボウイ  坂本龍一  ビートたけし  内田裕也
  1942年、ジャワ。日本軍の俘虜収容所。そして46年戦犯拘置刑務所。
     極限状態での男達の心情
  キネマ旬報
  
Cannes http://www.festival-cannes.fr/films/fiche_film.php?langue=6002&id_film=1433

New York Times   http://movies2.nytimes.com/gst/movies/movie.html?v_id=32280
French   http://www.chez.com/cae/films/merrychristmasmrlawrence



 鬼が来た!
 鬼子來了     GUIZI  LAI  LE  ; DEVILS ON THE DOOR STEP 
            
Démons  à ma Porte  (2000)  
中国映画 東光徳間 
     監督/脚本/主演 チアン・ウェン(姜文)  
(出演) 香川照之 チアン・ホンポー エン・ティン チェン・シュ  
 ☆2000年カンヌ映画祭グランプリ
 日本では鬼畜米英といい、中国では日本軍を"鬼子"と言った。 中国華北の村人に捕虜日本兵が預けられた悲劇・・ 
   
公式サイト(公開時 キネマ旬報  
 Times Asia www.time.com/time/asia/magazine/2000/0724/china.jiangwen.html
  Cannes
   http://www.cannes-fest.com/2000/film_guizilaile.htm


以上の作品は各社趣旨に賛同され提供された上映決定作品です





2005/ 8/6〜 8/19 モーニング&レイトショー

ビルマの竪琴  8/6〜 11 木 @11:00 A13:10
土と兵隊     8/12金〜15月 @11:00 
鬼が来た!  8/16火〜19土 @11:00
戦場のメリークリスマス 8/6〜11 @ 19:30 
                     12金のみ@13:10 A19:30
真空地帯   8/13〜19 @ 19:30 


この上映会はジョイント方式です。個人、団体問わずご参加・ご協力よろしくお願いします。

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 2005/8/6 -- 8/19    Special movie show    
   We Never Forget W.W.2 in Asia for Peace 

Selected excellent movies


BIRUMA  NO TATEGOTO  /
Burmese Harp     (1956 )  Japan

directed by Kon Ichikawa
one of famous antiwar films after WW2 in Japan
The Burmese Harp is one of Ichikawa's first widely acknowledged films, bolstered by success at The Venice Film Festival. A compassionate, anti-war film (yet refusing to enter into any cinematic discussion of where to lay blame), this is one of the first films to portray the decimating effects of the war from the point of view of the Japanese army. 

English http://www.geocities.com/Hollywood/Bungalow/1204/burmese.htm
BBC    http://www.bbc.co.uk/bbcfour/cinema/features/burmese-harp.shtml


Merry Christmas Mr. Lawrence. 
(1983)
directed by Nagisa Oshima 
A highly unusual war movie with as many detractors as fans, this English-language feature directed by Nagisa Oshima (In the Realm of the Senses) stars David Bowie as a silent, ethereal POW in a Japanese camp. Protesting--via his own enigmatic rebellion--the camp's brutal conditions and treatment of prisoners, Bowie's character earns the respect of the camp commandant (Ryuichi Sakamoto). While the two seem locked in an unspoken, spiritual understanding, another prisoner (Tom Conti) engages in a more conventional resistance against a monstrous sergeant (Takeshi). The film has a way of evoking as many questions as certainties, and it is not always easy to understand the internal logic of the characters' actions. But that's generally true of Oshima's movies, in which the power of certain relationships is almost hallucinatory in self-referential intensity. The cast is outstanding, and Bowie is particularly fascinating in his alien way   --Amazon

    
  Japan  
Cannes http://www.festival-cannes.fr/films/fiche_film.php?langue=6002&id_film=1433
New York Times   http://movies2.nytimes.com/gst/movies/movie.html?v_id=32280
French   http://www.chez.com/cae/films/merrychristmasmrlawrence

 Tsuchi to Heitai    / Earth  and  Soldiers / Terre et Soldats   (1939)   
Directed by Tomotaka Tasaka
Writing credits Ryozo Kasahara 
Original Novel Ashihei Hino
.
Location; Nikkatsu Studio in Japan ,  occupied  territory by  Japan  in China

This is one of  typical Japanese militarism Films , made in 1939 under  Government control.  .

  Japan 
 English       http://us.imdb.com/title/tt0162714/

 Shinku Chitai    / Vacuum Zone     (1952 ) 
Directed by Satsuo Yamamoto
Writing credits  Hiroshi Noma (novel)
Yusaku Yamagata 
Cast  :Takashi Kanda , Yoshi Kato , Isao Kimura ,Koichi Nishimura 

One of famous antiwar films after WW2 in Japan
Satsuo Yamamoto revealed  a life of barrack with reality -- how  a common citizen was changed to a soldier of Military of Empire Japan with violence.
 Japan   

 English  http://www.imdb.com/title/tt0045146/

GUIZI  LAI  LE  / 鬼子來了
DEVILS ON THE DOOR STEP /Démons  à ma Porte  ( 2000 )  
Director, Producer: Jiang Wen
Writer: You Fengwei (novella), Jiang Wen, Li Haiying, Liu Xing, Shi Jianquan, Shu Ping
Cast: Jiang Wen ,.Jiang Hongbo ,Teruyuki Kagawa


Devils on the Doorstep is Jiang's scalding tragicomedy set in a Chinese village during the wartime occupation by the Japanese. One villager, Ma Dasan (played by Jiang), is told to hold a Japanese officer and his Chinese translator as hostages. The film, which traces the villagers' fear and the soldiers' brutality, won the Grand Prix (second place) at this May's Cannes festival—a high honor, and a victory for Chinese cinema.  ---
Time Asia

Japan 
Time Asia www.time.com/time/asia/magazine/2000/0724/china.jiangwen.html
Cannes
   http://www.cannes-fest.com/2000/film_guizilaile.htm

*****Time Schedule::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Morning Show
8/6
-- 11      Burmese Harp        ( 1 ) 11:00 ( 2 ) 13:10
8/12
-- 15       Tsuchi to Heitai      ( 1 ) 11:00 
8/16
-- 19        DEVILS ON THE DOOR STEP   ( 1 ) 11:00

Night Show

8/6
-- 11      Merry Christmas Mr. Lawrence.   ( 1 ) 19:30 * 8/12  ( 1 ) 13:10  ( 2 ) 19:30 *
8/13
-- 19      Shinku Chitai       ( 1 ) 19:30 

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