県知事選候補者への公開質問状

私達「在日外国人の参政権を考える考える会・福井」は、1991年県内在住の4人の在日韓国人の方々が地方参政権を求めて提訴されて以来、在日外国人に対 する差別と人権の問題について取り組みを続けて来ました。
 その過程で、在日外国人とりわけ在日韓国・朝鮮人を中心とする定住外国人の人々が、生活の全領域において差別され、人権が無視された状況のなかで、社会 的、経済的に不安定かつ不利な生活を余儀なくされていることを学びました。このような現状を克服することなく、自治体が「国際化」をうたうことは欺瞞以外 の何物でもないと考えています。
 現在私達は、定住外国人への地方参政権の保障と地方公務員採用の国籍条項を完全撤廃することが、在日外国人に対する差別状況を解消していくための大きな 礎なり、かつ、開かれた住民本位の自治行政の確立に不可欠であるとの観点から、その実現に向けて努力しているところです。
 さて、地方参政権については憲法許容の最高裁判決がすでに確定し、国会においても保障立法が提案されるなど、迅速な実現が強く望まれる段階に至っていま す。
 また、自治体職員採用時の国籍条項撤廃問題は、7政令指定都市をはじめ全国多数の自治体で撤廃が進んでいる状況にあります。加えて、97年11月東京高 裁は外国人職員の管理職昇任試験の受験を国籍条項によって拒否したことに対し違憲判決を下しました。これは、いわゆる「当然の法理」をもって外国籍の人々 を一律に公務員から排除して来たことが、何ら法的根拠のないものであると司法が認めたことに他なりません。
 以上を踏まえつつ、次の4点について質問致しますので、各事項に対し逐一のご回答をいただけるようお願い致します。

1.定住外国人とりわけ県内にも4500人が居住する旧植民地出身者とその子孫である在日韓国・朝鮮人のおかれている現況についてどのようなご認識 をお持ちでしょうか。

2.定住外国人に地方参政権を保障することについてどのようにお考えでしょうか。

3.福井県では現在、現業職と技能職の一部においてのみ国籍条項がなく、一般職は開放されていませんが、今後撤廃する意志はお持ちでしょうか。

4.参政権がなく、他府県のように「外国人代表者会議」がない福井の現状の中で、定住外国人の行政に対する意見は、県政に反映されているとお考えで しょうか。また、今後反映させていくための具体的施策をお持ちでしたらご表明下さい。

以上