2 結核感染対策ガイドライン
07年4月10日 改訂
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1 総論
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| 2 結核感染対策の基本 |
| 3 結核院内感染を防ぐための職員検診 |
| 4 結核患者発生時の対処 |
| 5 結核接触者検診マニュアル |
1 総論
我が国の結核感染新規登録数は減少したといわれるが、高齢者の結核一向に減少しないといわれている。とくに当病院はこの高齢者が多いことからとくに対策を講ずる必要がある。また、医療従事者が感染源となる場合がしばしば報告され、治療や介護をすべき医療機関で結核が広まることにならないよう厳重に注意したい。
結核の現在の問題点は、AIDS患者における結核の発症である。また多剤耐性結核菌が増えてきていることも治療を困難にしている。
結核は空気感染であるので予防策を講ずる。
結核の感染源
感染力がある結核菌を排出する結核患者が感染源となる。
ツ反陽転者、結核性リンパ節炎、小児の初感染結核、結核性胸膜炎の多くは排菌がないので感染源とはならない。
たとえ排菌があっても、非定型抗酸菌や感受性のある抗結核薬を1ヶ月以上服薬した方からの排菌は感染源とならない。ただし、免疫不全の人はそのかぎりでない。
職員からの感染も考えられ、定期検診率を向上させ、早期発見につとめる。
外来患者さんに対し「2週間以上咳が続く方はお申し出下さい」の掲示をおこない、患者さん、職員共に注意を促す。
結核の感染と発病
感染は肺結核の排菌患者の菌によって感染する。飛沫感染または空気感染する。
感染した場合発病するのは 一生で10〜20%であるとされている。
体内で結核菌が活動している場合 クオンテイフェロンという検査で判断できるとされているが、まだその評価は定まったとは言い難い。ツベルクリンが強陽性となり、フォンテイフェロンが陽性の場合、発病と判断されるようである。
INHによる予防投与は主治医が検討の上決定する。
2 結核感染対策の基本
感染源となりうる結核患者の発見は、根本的に重要なことである。結核が疑われる場合喀痰の検査の結果の取り扱いに細心の注意が必要である。
1 排菌結果をまず伝票で確認する外来看護師、または検査技師は排菌が陽性と判明したら、直ちに主治医に報告する。病棟看護師にも報告する。
結核菌陽性----> 外来看護師 ------>主治医---->排菌ある場合は転院
臨床検査技師 担当医
----->接触した職員の調査と
検診
2 排菌ある場合患者さんには、マスクをしてもらう
3 排菌が結核菌と判明したら、
日中ならば主治医から日赤病院呼吸器科へ入院の依頼をする。
直ちに転院できない場合は、個室隔離とし部屋のドアは開放しない。
室内に密閉の痰容器を設置する
診察時も患者さんにN95微粒子用マスクを着けてもらう
4 排菌が非定型抗酸菌ならば感染危険はないので、隔離の必要はない。
5 個室に入室し、転院までの時間を待っている結核菌排菌患者さんは、
原則 個室外へでない。
室外へ出るときはN95微粒子用マスクを着けてもらう。
高齢者、小児の入室は禁止
6 結核疑い患者の気管支ファイバーは最後におこなう。
7 職員のN95マスク着用基準
患者の病室に入るとき
面接
診察
気管支鏡検査、気管内挿管時
長期間咳漱が続いていた救急患者の診察時
3 結核院内感染を防ぐための職員検診
採用時検診(診断書提出 胸部写真とツ反)
定期検診 胸部写真 ツ反 (一般は年1回 夜勤者は年2回)
接触者検診
院内職員または患者さんが感染源となりうるような結果が出た場合、接触者については、接触者検診マニュアルにより対処する。
院内教育
院内感染対策委員会が主催して結核予防に必要な講習会を行う。
ツ反判定について
日本以外の国々ではツ反判定は硬結が判定に用いられるという。現在は発赤と硬結の両者を記載することとなっている。
予防内服
現在日本におけるINHAやRFPに対する耐性獲得率は22%といわれている。
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BCG未接種の人
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BCG接種した人
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排菌陽性者との
接触あり
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ツ反 発赤10mm以上
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ツ反発赤30mm以上
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ない
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ツ反 発赤 30mm以上
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ツ反発赤40mm以上
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結核予防法による予防内服の基準はBCG未接種では上記のごとくである。接種者ではこの基準とかつ最近の結核感染が強く疑われる場合とされている。
胸部X-Pを撮影し、上記基準に当てはまるばあい予防内服を行う。
なお 次の様な場合も予防服薬が勧められている。
最近陽転した人
結核の危険性が増すような状況にある人
HIV感染者
INHAは妊婦には避ける。肝障害の発生に注意。
業務制限
肺結核、喉頭結核の医療従事者は咳が消失し、培養結果が陰性となるまで業務制限する。
肺結核、喉頭結核以外では業務制限は必要ない。
予防内服者も業務制限は必要ない。
4 結核患者発生時の対処
結核患者発生時の届け出
結核予防法第22条により2日以内に届け出る。
医師-------------->発生を連絡 ---------->ケースワーカー
患者・家族-------------->届け出---------> 健康センター
患者発生時の体制
主治医は院内の結核患者発生届け出表を提出し、健康センターへも届け出する。
感染対策委員会は患者の把握をすること。
適切に対応できるように助言サポートする。
感染対策委員長、副委員長、主治医、当該病棟感染対策ナースがこの業務に当たる。
職員感染ある場合は産業医も参加(現在は感染対策委員長と兼務)
消毒方法
洗濯、食器の洗浄は通常通り。ガウン着用の必要はない。
病室、ベッド、床頭台、 ロッカーの掃除も他の院内感染予防と同等でよい。
次亜塩素酸ナトリウム、消毒用エタノールが有効。
5 結核接触者検診マニュアル
06.12.14改訂
5-1 入院患者対象
目的 院内で結核患者が発生した場合に、接触による感染者、発病者の発見につとめる。
方針
結核患者が発生した場合、おこなう。この場合、喀痰塗末培養が陽性の場合とする..
排菌が全くない時、喀痰咳漱がない、臨床的に結核と判断した場合で感染力がないと判断した場合はおこなわない
接触者検診の実際
1 接触者のリストをつくる。
結核患者が一般病棟で発見された場合、周囲の接触者には、
1 同室患者、
2 同病棟入院患者、
3 接触のあった職員、
4 面会者、
5 外来患者などが存在する。
感染源との同室者や職員で受持ちなどの頻回に接触のあった者は、家族と同様な接触状況が考えられる。
病棟で食事や挨拶を交わす程度の接触の患者や病棟職員では、一般的な接触と考える。
発生した患者が感染源としてどの程度危険性があるかを評価する簡易な目安として、「定期外健康診断ガイドライン」で用いられている感染危険度指数がある。つまり患者のガフキー号数(最低3回繰り返して検査したものの最大の値とする)に患者が発病後診断までの「呼吸器症状の持続期間(月単位 )」を掛け合わせた値。例えば3ヶ月咳を訴えてきた患者が診断時の菌所見がガフキー5号であれば、3(月)_5(号)=15となる。この値によって感染源を10以上(最重要)、9.9〜0.1(重要)、0(その他)と段階分けし、その段階に応じた接触者への対応が規定されている。「最重要」では集団感染となることが多いことが観察されており、したがって感染源として最も厳しい対応が接触者には必要となる。
2 検査
接触者検診の対象者として当院では成人がもっぱらなので、易感染性の入院患者はいないと考られる。入院患者や家族の濃厚接触ないだろうが疑わしい時は状況に応じて2ヶ月後に胸部レ線を撮る
1 接触直後にすること 接触者が29才以下ならツ反
2 接触者名簿作製 状況 などの調査
3 濃厚接触者は
2ヶ月 胸部レ線 クオンテイフェロン採血(2ヶ月のみ)
6ヶ月 胸部レ線
12ヶ月 胸部レ線 が勧められる
2ヶ月後のクオンテイフェロンが高値の場合 結核の予防投薬もありうる。
感染源と最終接触から8週経過した後のツ反陰性者では感染はなかった者と考えられる。
5-2 職員の結核接触者検診マニュアル
職員の接触者検診については一般の場合と同様ではあるが、職員の年齢が若いことも強慮しておこなう。
1 接触者名簿作製 状況 などの調査
2 接触直後にすること ツ反の情報
3 接触状況の調査
濃厚接触は、気管支鏡検査、気管内挿管、吸痰があげられる。
一般の接触は患者受け持ちなど
4 濃厚接触者は
2ヶ月 胸部レ線 クオンテイフェロン採血(2ヶ月のみ)
6ヶ月 胸部レ線
12ヶ月 胸部レ線
2ヶ月後のクオンテイフェロンが高値の場合 結核の予防投薬もありうる。
5 一般の接触者
特に異常がなければ次の検診で注意して胸部レ線をみる。
6 このほかに心配な人は健康保険で胸部レ線をとることとする。
7 咳 喀痰がある場合は産業医まで報告すること。
参考 結核予防会 接触者検診の対象
付録 結核患者発生届け出表
結核院内感染対策チェックリスト