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`97ふくい国際芸術祭


参加団体

中国:伝統楽器アンサンブル
韓国:伝統楽器と伝統舞踊「扇の舞」
エストニア共和国:「合唱と民族楽器アンサンブル」
インド:インド4大古典舞踊の一つに数えられるバラタナティアム
インドネシア共和国:打楽器と舞踊を伴うガムラン、声と体のリズムのケチャ
トルコ:リズミカルな民族舞踊

長野県:善光寺保存会
富山県:稚児舞い
沖縄県:伝統組踊保存会
福井県:国山の神事(福井市)
    北潟古謡どっしゃどっしゃ(芦原町)
    神子舞(大野市)
    勝山左義長(下長渕左義長くらぶ)
    住吉大太鼓(小浜市)
    下村の獅子舞(名田庄村)


当日 本番前の様子

さあ、いよいよ当日を迎えました。
前日から入念なチェック、ホール関係者とくらぶとの打ち合わせをしっかり済ませ、
あとは時間のくるのを待つのみです。
皆、思い思いに自分の不得意とする部分を気にしながら朝9:00前にハーモニーホールに到着しました。
そこにはもう富山から、大阪から、長野から各種団体が集まっていました。
その他に、アジアの各国からもぞくぞくと控え室入りしてました。

中国・インドネシア・トルコ・インドそれに韓国とエストニア共和国からも参加しています。
民族衣装を身に纏った団体が右往左往していて、楽屋裏は異国さながらでした。
我々は早々にリハーサルの準備にかかります。
皆、簡単に衣装に着替え、太鼓・笛・三味線を用意し舞台に上がります。
ハーモニーホールのスタッフから迅速な指示をもらい、また構成全般のリーダーに
音響や照明の最終チェックを受け、リハーサルが始まりました。
が、しかし、どうしたのか??皆の息が一つにまとまらない・・・・(^^;)

皆、気持ちばかり先にいってしまい、他の音が耳に入らないのか・・・?
全体のリズムが一つにならない為、身体を乗せることもできず、そうこうしているうちにリハーサルの時間は無常にも終わってしまいました(^^;)

その後、話し合い・・・しかし、いつもの身体で覚えたリズムでやろう!
そう、今までたくさん練習してきたんだ!皆、身体に染み込んでいるこのリズムで頑張ろう!!という事になりました。

リハーサル後、自分たちの出番まで時間があったので、観客として昼の部を鑑賞しました。 この時、ハーモニーホールの「音の響きの素晴らしさ」をまざまざと感じさせられました。
韓国の日本の琴に似た楽器(伽耶琴)のなんとも繊細な響き・・・囁くようなかすかな音も
しっかり聞き取れ、その反対に胸にびーんと響いてくるような大きな音まで、
この一つの楽器で表現できるんだなぁと驚きと感動を与えてもらいました。
静まり返った会場では、聞いているお客様の息遣いまでも伝わってきます。
大きく息を吐いているお客様がいたのですが、その息がしっかりと感じ取れた程ですから・・・
そして、午後6:00から我が下長渕左義長くらぶの参加する午後の部は始まりました。
とにかく私達は練習を重ねてきたんだ!それを無駄にしちゃいけない。
大丈夫、いつものリズムは取り戻せる(^^) そして楽しんでやろうよ!
皆心の中は同じ事を思ってます。

さぁ、勝山下長渕左義長くらぶの出番です!

真っ暗な舞台。静まり返った会場。
パッと一番太鼓にライトが当たり度肝を抜くような太鼓の響きが広がります。
軽快なリズム、強から弱へと変わり、観客の視線は一点に集中です。
打ち手も気分が高揚しているらしく、いつもと違う展開で運んでいます。
見事なバチさばきと最後の強烈な締めで一番太鼓は終わりました。

・・・と、すぐ掛け声と共に快調な滑り出しで左義長囃子が始まります。
さっきの一番太鼓のピーンと張り詰めたようなムードから一転して
左義長独特の柔らかいテンポが会場に広がり、いかにも「祭り!」という雰囲気が出てきました。
と同時に女物の肌襦袢を身にまとった男が浮かれ太鼓を叩きます。
お酒に酔ったようにふらふら揺れながら叩く者もいれば、男らしく叩く者もいて、 個々の打ち手が個性的な叩きを披露してくれます。
個々が終わると今度は大黒様が登場して舞台を一気ににぎやかに盛り上げます。(体型もそっくりなんです^^;)
それから二人羽織が妙技をみせます。おかめひょっとこが笑いを誘います。
おかめひょっとこが登場した時点では拍手が湧きました(^^)
おかめとひょっとこのなんともいえないおかしな掛け合いが観客を釘付けにします。
そして、囃子のテンポはスローからクイックへ。
軽快なリズムがしばらく続き、ふいをついたように停止!
舞台も一瞬ライトが消え、観客はこれで終わりかと思ったのかおもわず拍手が起こります。
その後、掛け声一声。曲は左義長囃子から「七丁め」に。

最初の1曲はまず笛のソロ。
この時点ではもう、観客は何が起こるか、何が始まるのか、目が離せない状態です。
シーンと静まり返った会場に一向の光の如く線を引くように、和笛の音が響き渡ります。
静から動へ・・・その笛に三味と鉦と掛け声が重なり合います。
舞台の前方では4人の銭太鼓が登場。 軽快なさばきでこれまた観客の目を引きつけます。
もちろんその間太鼓も叩いてます。左義長囃子の時とはまた違った太鼓の叩き方をご覧下さい。
地打ちと打ち手との掛け合いも見ものです。

そしてガラッと雰囲気は変わり「ごたいてん」に入ります。
「左義長じゃ、左義長じゃ、おめでたい。男も女もお神酒を祝ってばんばんざい!」
と花笠踊りを交えにぎやかに見せます。
そして最後にもう一度超早い左義長囃子で、 観客も右へ左へ身体が揺れて・・・
これこそ観客と舞台上が一体化したような・・・
太鼓の叩きにも熱が入り次第に音が大きくなります。祭りムードは最高潮!
三味も太鼓も笛も、水を得た魚のように活気をおび、そしてのりに乗った後、最後をびしっと締めて終わります。

終わった後の皆の表情は大、大、大満足の顔でしたっ!
リハーサルでうまくいかなかった事が、かえって舞台をいいものにしてくれたようです(^^)
感激の余り、目頭を押さえている人もいた程でした。

有り難うございました!観客の皆様!
有り難う!くらぶのみんな!
そして、有り難う!このような舞台参加を与えてくださった方々!

これでまた一つ、各人が自信を持てるようになり、今後の活動の励みにもなりました。
我がくらぶは最高のプレゼントを皆様から頂きました!!


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